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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
ボス討伐戦
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じい音をたて、落ちた。HPは、残り数ドットというところまで減っている。

そこにキリトとアスナが突っ込んできた。

落下の衝撃から立ち直ったボスの野太刀をキリトが弾く。

「スイッチ!」

キリトの声にアスナがボスの懐に飛び込むことで答える。だが、アスナの攻撃が入る前にギョロリとした眼がアスナを捉えた。

「アスナ!!」

思わず叫んだキリトの目の前で野太刀がアスナ目掛けて降り下ろされた。

舞い散るアスナの赤ローブの欠片の中に出てくる影があった。

栗色の長いストレートヘアを大きくたなびかせた女性プレイヤーだった。はしばみ色の瞳が印象的なその少女はタイミング的にアスナだと解る。

そのままアスナは赤い巨体に細剣基本技《リニアー》を突き刺す。

さらに、その後ろからユウキが《バーチカル》を放つ。

キリトは片手直剣二連撃技《バーチカル・アーク》を。

レンは短剣二連撃技《テンペスト》をそれぞれ放つ。

四人同時に攻撃した時、ボス、イルファング・ザ・コボルドロードは、その赤い巨体を不自然に硬直させた。

次の瞬間、ボスはその巨体をすさまじい量のポリゴンとなって霧散した。それと同時にレンの視界には大きく【Congratulations】の文字が。

恐らく他のプレイヤーの視界にも表示されているそれをレンは数秒間ほけーっと見て───

小さくガッツポーズをした。

直後、歓声が部屋を埋め尽くした。










「何でや!」

鋭い声が歓声を止めた。

「何でディアベルはんを見殺しにしたんや」

キバオウだった。彼は小さく体を震わせながらキリトを睨み付けていた。

レンとユウキは、ディアベルが死んだことを知らないため、アスナに急いで視線を向ける。

アスナははしばみ色の瞳を沈痛そうに俯かせ、頷いた。

「見殺し?」

キリトがキバオウに聞き返すと、キバオウは噛みつくように言った。

「そうやろうが!自分はボスの使う技、知っとったやないか!最初からあの情報を伝えとったらディアベルはんは死なずに済んだんや!」

さっきまでの歓喜の空気はたちまち霧散し、その場を重たい空気が支配した。と、プレイヤー達の中から突然男が喚き始めた。

「きっとあいつらβ(ベータ)テスターだ。だからボスの攻撃パターンを全部知ってたんだ。知ってたんだ。他にもいるんだろ!出てこいよβテスターども!」

そこで、プレイヤー達の目が変わった。

それは、仲間を信じる目から、仲間を疑う目へと。

小さいが、あまりにも大きい違い。

───と、

「う、ククフフッ、クアハハハハッ──」

乾いた笑い声が響いた。

レンとユウキ、アスナが驚いて
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