第一話
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の願いが強く、正しいものだったからだろうな。あと二人が一緒に祈ったというのも大きい」
「春香もあの時、家を直して欲しいと?」
「んー少し違う。」
そう言って、春香は手を重ね、目を閉じ、祈るポーズをとると、
「前にいる、この人の願いが叶いますように。そう祈った」
「……そうか」
しばらく二人の間に沈黙が続いた。そのうち春香の方から口を開いた。
「その……嫌なら別にかまわない」
「……ん?」
「私がここに住むのが嫌なら私も無理に押し入る気はない。元々誰にも正体を明かさない隠密の任務だった。だから……」
では何故出会い頭に自分の正体を明かしたのか、という疑問が頭をよぎったが、それは無視して自分の思いを今にも泣き出しそうな顔の彼女に伝える。
「……いいよ」
「…え」
「正直、最初は何言ってるのかわからなかったし、家も壊れて、なんだこいつとも思った。でも家は直ったし、不思議な道具も見せてもらったから宇宙から来たってのは信じる。」
「………」
「それに地球には初めて来たんだろ?こんな知り合いも誰もいない所にほっぽり出す訳にもいかないからな。」
「……………」
まあ理由はそれだけじゃないけどこれは言わないでおこう。
「というわけで、よろしく」
「……………………」
……あれ?
「……………………………あ」
あ?
「ありがとう!!」
「うお!?」
突然飛びついてきた!?!?
「ホントにありがとう!放り出されたら行くあてもないから心細くって!」
い、いきなり抱きつかれてしまった。目には涙を浮かべていて、よほど断れるのが怖かったと見える。
しかし抱きつかれるのは少しまずい。ただでさえ露出の高い服なのに触れ合ってみるとこの服とても生地が薄い。
それに加えて、彼女は少女の見た目とは言え、出るとこは出ている体型だ。
あ、なんかいい香りもしてきた。こ…このままだと……
「す、少し離れて………」
「あ……ご、ごめんなさい」
やっと離れてくれた、これで落ち着いて話せる。
「そ、それでこれからどうする?住むのはいいけどずっと家にいるわけにもいかないだろ」
「そ、そうだな。できれば協力者と常に一緒に行動したいが………ん?」
彼女が壁に目を向けた。そこには俺の学生服がかかっている。
「あの服は……君は学生なのか」
「そうだけど………………まさか」
「よし、私も君の学校に通おう!」
まただ。彼女は一見真面目そうだが、時折見せる笑顔は少女のそれだし、いきなり突拍子もない思考や発言をする。
「いやいや待て待て!いくらなんでもそれは……」
「大丈夫
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