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『ポケスペの世界へ』
第十四話
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 走っていたクリスを受付係が止める。

「え?と、一般入場です。あ、入場料は彼の分も私が払いますから………」

 全く………。

「きゃあァァッ!!」

「何や?」

「……またゴールドが何かしでかしたんじゃ あ………」

 ………クリス怖いから。

「ぁ?ヤンヤンマが暴れてるな……」

「どうしたッ!?」

「登録手続きのために一旦、出場選手から預 かっていたボールが弾みで開いたんだ。それで赤ん坊を持って……」

 確かに三匹のうちの一匹が赤ちゃんを持っとるな。

「駄目だ。素早くて捕まえられないッ!!」

「あのヤンヤンマ達のトレーナーを呼ぶん だッ!!」

 辺りが騒然としてきた。

「俺に任せろッ!!」

 ゴールドがキューとボールを出す。

「そらッ!!」

 そして、ボールを打った。

「赤ん坊が巻き込まれているのに攻撃をするなんて……何て事をするんだッ!!」

「攻撃じゃねーよッ!! パープリンは黙ってみてなッ!!」

「ん?」

 ボールは右横の壁に当たり、真上に当たり、左横の壁に当たる。

 それが何回も繰り返していると、ヤンヤンマが眼を回して赤ちゃんを離した。

「きゃあァァッ!!」

ボムッ!!

 その直後、ボールの開閉スイッチに床が当 たって、ウソッキーが赤ちゃんをキャッチし た。

『オオォォォッ!!』

 見物人が歓声をあげた。

「ヘヘ。ヤンヤンマはでっかい眼で常に360度を見てるポケモンだ。まぁその特徴を逆に利用してやったまで……イテテテッ!!」

 ゴールドがクリスに耳を引っ張られる。

「ってーなッ!! 何だよッ!!」

「バカッ!! 助けるにしても、もっと地味にやってッ!! 何しに来たか忘れたの?目立ったら駄目なのッ!!」

 怒っとる怒っとる。

ピポッ!!

「あ、博士。はい。無事に会場入りしました。はい、くれぐれも目立たないようにします。ゴールドにもちゃんと言います」

「わーってるよ。さっさと行こうぜ」

 ゴールドがクリスに言う。

「どっちだ? エキシビションマッチをやるメイン闘技場は?」

「あっちやな」

「なら早く行きましょう、ショウ先輩」

「分かった分かった」

 俺達は闘技場に向かった。







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