交差点の中心で理不尽を叫ぶ少女
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才能に左右されるとはいえ、おそらく個人で持てる戦力としては破格な物があるだろう。
それをよりによって非武装が基本の日本に送り込むなど…ルイズのように言葉が通じず、見たことの無い場所に放り出され、回りは見たことのない建物と見知らぬ人間達…そんな彼ら、彼女達が唯一縋れる自分の持つ魔法を頼りにした所で誰が責められるだろうか?
もし、秋晴がもう少しでも遅れていて、あの場にいた者達が怪我をしたり死人が出たらそれはオリ主のせいである。
そんな想像力さえ持ち合わせていない愚か者など、せいぜい輪廻に放り込まれるまで苦しめばいいとすら思う。
「な、何とか理解したわ…」
「うん、お疲れ様?」
疑問形になってしまったが、納得してくれてほっとした。
これで癇癪でも起こされていたら、強制的に夢の国に旅立ってもらい、寝ている間にハルキゲニアに送り返すという荒っぽい事をしなければならなかったところだ。
「さて、では納得した所で元の世界に帰ってもらおうか?」
そう言って、秋晴が取り出したのは毎度おなじみリモコン携帯、先ほどの交差点で地面の破壊を巻き戻したのもこいつのおかげと言う本当に使えるアイテムだ。
流石に、あの場にいる全員の記憶を操作する事は出来なかったし、すでに逃げていた人間もいたのでなかった事にまでは出来なかったが、記憶をぼかすくらいはできたはずだ。
「悪いけど記憶は消させてもらうよ。ここでの記憶なんてない方が良い」
話…原作が壊れると言う意味でだ。
リモコン携帯のおかげで、他の面子はすでに記憶を書き換え、数分間時間を戻して一時停止しているトリスティン学園のグラウンドに送ってある。
後はルイズの記憶を操作して放り込み、停止を解けば使い魔召喚の偽の途中に元通りだ。
「ま、待って…」
「は?」
まさにルイズにリモコン携帯を向けようとした所で、ルイズ本人が秋晴の手ごとリモコン携帯を掴んだ。
「…何これ?」
「だから待って、もうちょっとだけ」
「え?」
…ルイズの行動が理解できない。
記憶を改ざんされるとは言え、この世界いた短時間の事だし…何より自分の世界に帰れると言うのに…まさかここで抵抗されるとは思わなかった。
「一応規則でもあるから、ここでの記憶を消さないと…帰せないんだけど?」
「だからもうちょっと待ちなさいって言ってるでしょう!!」
「ちょっとって…何時まで?」
「もう少しだけでいいから、この世界を見たいの!!」
その言葉に、秋晴が渋い顔をする。
面倒だった今回の一件が、やっと終わりそうだと言う時に待ったをかけられて笑っていられるほど秋晴も人間が出来ていない。
何より、この世界をルイズが見て回っても記憶を消す以上、それは無意
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