交差点の中心で理不尽を叫ぶ少女
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るも、それを聞いた周りの人間達の反応は芳しくない。
向こうからの言葉だけでなく、自分からお言葉も彼等には理解できなかったようだ。
それどころか、少女の事を勘違いした数名が少女を指さして笑い始めた。
笑う人間に何を感じたのか、少女の顔が真っ赤になる。
「ば、っかにして…!私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ!!」
それは…ゼロの使い魔と言う名のライトノベル…そのヒロインの名前と同じものだ。
「…ってえ!!」
交差点の中央で聞いたことの無い言葉で喚き、なのに全く動かない彼女…ルイズに痺れを切らしたのだろう。
トラックが一台、交差点に入って来た。
勿論、クラクションを鳴らしながらである。
ドライバーにルイズを轢く気はない。
直ぐ傍を通り抜けてビビらせ、すれ違いざまに罵声でも浴びせてやろうとでも思ったのだろう。
血気盛んと言うかなんというか…交通法的には車の方が強者ではあるが、ドライバーにしてみれば外国人とは言え、日本にきていながらその交通法を真正面から無視しているのだから少し怖い目を見ればいいと…そんな風に思っていた
「ちょ、何!!来ないでよ!!」
だが、ルイズの方はドライバーの思いを正しく受け取らなかった。
言葉も分からず、自分が交通法を無視している事にも気付いていない彼女の認識では…鉄?の馬車が自分に向かってくるという事実だけだ。
けたたましい音と共に迫ってくる馬車を前に、ルイズは本能的に杖を掲げ…呪文と共に振り下ろした。
その結果は直後に現れる。
振り下ろされた杖の先で…アスファルトが爆発した。
爆弾では無く、火薬ですらない爆発と言う“魔法”の力が発動し、地面を抉り飛ばしたのだ。
もうもうと立ち上る白煙が晴れた時…そこに先程までの喧騒はなかった。
向かって来ていたトラックは横転し、タイヤを空回りさせている。
うるさかったクラクションは消えていた。
色々な物が過密な東京と言う場所に置いて、無音の空間が誕生したのだ。
押し黙った周りの様子に満足した少女…ルイズは溜飲を下げ、その対して厚くもない胸を張った。
「あ、あんた達が悪いんだからね!!どう、これで私が貴族って分かったかしら!?分かったら早く言葉の分かる人を呼んで頂戴!!」
「「「「「「■■―――――!!」」」」」」
「貴族としての扱いを希望…え?」
周囲の人間が揃って大声を上げた事で、ルイズは驚きに身を固くする。
彼ら、彼女達が何を言っているかは分からなかった。
ルイズに分かったのは、回りの人間がルイズに何かを叫び、箱に乗っている者達はそれを抜け出してまで逃げて行くと言う事だけだ。
その中には、横転したトラックから抜け出してきた
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