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26歳会社員をSAOにぶち込んで見た。
第六話 Granza
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はいた。
 だが、【こんなこれを】目の前にして、俺は、流石に動揺を隠せなかった。
 それどころか、体が震える。
 対面したのは敵。
 たった二体だけで、それぞれゲージも一段しかない。
 しかし、見慣れない紫ポインター。
 だが、俺はこいつらを知っている。
 そりゃあそうだろ……! コイツらは……!
「サニー! ホイミ!」
 思わず俺が叫ぶと、目の前の二人は、光のない眼で、俺達へと視線を移した。
 最後に見た、あの時となんら変わらない装備で。
 手に持った槍と、盾は、今や中層となった、サニーとホイミが死んだ階層の装備。
 普通に考えれば、勝てない敵じゃない。
 恐らく、普通にスキルを使えば、勝てる。
 だが……だが……!
 そう思っていた直後。
 突如、サニーが、口を開いた。
『まぁまぁ、大丈夫大丈夫。 ボクがいるから。 スキルも上がってきて、一層の雑魚なら大体一撃だからね』
 その台詞に、背筋が凍る。
 無表情のまま放たれた台詞は、何処までもあの時のままで。
 まるで録音された声をサニーが放ったようだった。
『あの、えとー、ごめんなさい、準備に手間取っちゃって』
 次に言葉を放ったのはホイミだ。
 ……悪趣味すぎるぜ、製作者!
 恐らく、コイツらが喋ってるのは……そのキャラのログだ。
 バックアップを取っていたキャラデータや音声ログを、ここで再利用してきてる……!
 あのNPCのおっさんが言ってた言葉を言い換えればこうだ。
 このクエストの内容は!
『石碑の奥に眠る、ゾンビを倒せ!』
 こいつらは……プレイヤーにとって最も倒しにくい敵だ……!
 しかし、ここで引くわけには……いかねぇよな!
「玖渚! 腹は括ったか!?」
「大丈夫! 知らない人達だから、デュエル感覚で倒しちゃうよ!」
 そう言って、玖渚がサニーに向かって切りかかっていく。
 しかし、そこで。
『スイッチ!』
 突如、横からホイミが現れ、盾で攻撃を防いだ!
 ……まずは、盾から潰さないといけないってか。
 だったら……!
 モーション開始……!
「ウ、お、おぉォオオオオオオオオオオオオオオオッ―――――!!!!!!」
 強制叫び声モーションと共に、バーサーク、発動!
 この間は発声がちと難しくなるが……。
 盾役を潰せるって考えたら、デメリットでもなんでもねぇな!
「ホイミィィイイッッッッ!!!!!!」
 グリュンヒルを振りかぶり、ホイミへと斬りかかる。
 この時にスキル、リミッター・ブレイクを発動。
 一秒……!
『女の子になりたかったんだ、憧れがあったんだよ!』
 横から切りかかってきたサニーからのダメージを受ける。
 正直、これくらいと思っていたが。
 ゲージの7分の1が一気に減る!
 
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