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迷子の果てに何を見る
第三十三話
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はなく、私個人を見てくれている。6年前までは当たり前のようにあったのに今ではなくなってしまった私個人を見てくれるという行為。これがこんなにも嬉しい事だったなんて。

「はじめまして、アリス・スプリングフィールドです。今日は私の為に集まっていただけてありがとうございます。これからよろしくお願いします」

パチパチパチパチパチ
私が挨拶をすると皆さんが拍手で応えてくれました。

「というわけで今から魔法球の方に行くぞ。あっちの方に飲み物とか食べ物を用意してある。オレとエヴァの特製ばかりだ」

『わ〜い』

龍宮さんや葉加瀬さんが原作でも見た事が無い位喜んでいるのを見るともの凄くおいしいのでしょう。これは期待できますね。原作に出てきたエヴァさんの別荘の中に入ると大きなテーブルの上に色々なお菓子や軽食、飲み物が所狭しと用意されていました。けれど、メイド服を着た見た事の無い人が何人も居ます。

「紹介しておいた方が良いだろうな。フェブ、メイ、ジュライ。主賓に挨拶しとこうか」

零斗さんに呼ばれたメイドさんが三人こちらにやってきました。特徴は順にメガネッ娘、銀髪ショート、糸目というところでしょう。

「はじめましてアリス様。私はメイ、こちらがフェブラリーとジュライです。私たちはお父様達に作り上げられたガイノイドでこちらで別荘の管理をさせていただいております。この別荘内には私を含め12人の姉妹がいますので今後ともよろしくお願いします。後ほど他の姉妹もご挨拶に上がらせていただきます。それでは失礼します」

三人同時に頭を下げて準備に戻っていきます。

「あの零斗さん。彼女達って」

「アリスちゃんはこの世界の原作を知っているんだろう。彼女達は茶々丸の姉妹機さ。最も一人一人姿は異なるし男性タイプも居るし、好きな事とか得意な事も違う。彼女達はなんら人間と変わりない生命さ」

「......零斗さん達が私を保護してくれるのは私が持っている原作の知識が欲しいからなんですか?」

「それもあるが、オレは君の転生する前の事を少し聞いている」

「神にですか」

「ああ、最も君の言う神とオレの神は別だがな。それは置いておくがオレは偽善と言われても良いから君を幸せにしてやりたかったから君を保護する事にしたんだ」

「自己満足の為ですか」

「他にも理由はある。簡単に言えばこの世界は転生者を狩る為の世界なんだ。説明するのがめんどくさいから後でこれを読んで理解してくれると嬉しい」

そう言って零斗さんは私に一冊の辞書のように厚い漫画を渡してきました。
タイトルは「漫画で分かる世界の仕組み」
作者は零斗さんですね。最初の数ページだけ読んでみましたが無駄に絵が綺麗で本当に分かりやすかっ
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