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DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第十三話
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えたが、セモンも町を見回してああ、と納得した。SAO時代に、アインクラッド第一層や第八層、第十八層、第二十二層などは、比較的『小規模な街』のようなものが多かった。主街区は大きかったり広かったりするのだが、第一層を除く別の階層では、それでも『地味さ』がぬぐえていなかった。

 そしてこの町の家々は、その『地味で小ぶりな家』よりもさらに二回りほど小さいのだ。おそらくカズが今まで見てきた、この世界の基準から照らしても小さいのだろう。

「ああ、それはですね…………自分の眼で見た方が速いですかね。ほら、つきましたよ。ここが、ハクアさんの家です」

 おお……と我知らず呟きが漏れる。そこにあったのは、黒光りする不思議な樹木で作られた、小ぶりな家だった。まるでどこかのパン工場をもっと中世チックにしたような感じである。いかにも「魔女の小屋」といった風情のそれを、セモンはしげしげと眺めた。

「入りましょう」

 ハクガが家のドアを開ける。手招きする彼に続いて、家の中に入ったセモンが見たのは――――


 ――――巨大な下り階段だった。石造りの。何百段もある。

「……は?」

 カズが間抜けな声を出す。リーリュウ、挙句の果てにはコクトまでもが驚きに目を見開いている。それもそのはずだ。住居の中心に、ここまで巨大な階段が、しかも下り階段が設置されているとでもなれば、だれでも驚く。

 しかしハクガハ勝手知ったる様子で階段を下りていく。

「……行こうぜ」
「あ、ああ……」

 カズについていく形で階段を下りていく。回廊はそこまで狭くはなかったが、壁に設置された燭台にともった、明らかに蝋燭物のとは違う輝きが揺れるたびに、不思議な揺らめきが階段を照らす。

 ――――コハクが嫌いそうな場所だな。

 お化け嫌いの恋人を思い出して、セモンは苦笑した。それと同時に、コハクに会いたい、という切ない願いも。

「(……はやく、向こうに戻らないとな……)」

 小波が何のためにセモンを呼び寄せたのか、いまだによくわかっていない。《適応者》は二十人余りいるというし、それこそセモンを呼び寄せなくても十分だったはずだ。それなのにもかかわらずセモンが呼び出されたのはなぜか。

 ただのご都合主義ではない気がする。なにか、ずっとずっと、強大な思惑がからんだ『ご都合主義』――――

「みなさん、止まって下さい」

 ハクガの声で、思考の渦から浮上する。セモン達は、二メートルほどの木製のドアの前に立っていた。金色のドアノブにハクガは手を掛けると、無造作にそれをひねって、ドアを開けた。

 ――――そして、目の前に地獄が到来した。

 散乱した本や紙。折れた万年筆。われたビーカー。よくわからない物質が詰められた試験管。部屋
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