暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜神話と勇者と聖剣と〜
DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第十三話
[1/4]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 《魔女の村》の昼が明ける。昼が『終わる』のではない。『明ける』のだ。もうすぐ夜が来る。そして、《魔女の村》にとって、夜こそが昼だった。

「はじまりますよ」

 ハクガが小さくつぶやいた。

「始まるって……何が」
「見ていればわかります。ほら、来ましたよ!」

 いぶかしげな表情を一同が浮かべた、その直後。

 ズンッ!という、重厚な波動が世界を揺らした。波動の飛んできた方向は、さびれた《魔女の村》だ。そしてその《魔女の村》周辺を、恐るべき光景が蓋っている。

「な、なんだ、ありゃぁ……」

 カズがかすれた声を漏らした。セモンも、リーリュウも、そしてコクトすらが絶句する。

 夜が、『明けた』。太陽が昇り、光が差し込むように、闇が昇ってくる。ごぉぉ、と豪風のような音を立てて、闇が空を覆っていく。そして漆黒の空には、鮮やかな星々が、宝石のようにちりばめられた。

 驚くべきことに、これらの事象は全てセモン達の真後ろ、つまり《魔女の村》の境界線までの間でしか起こっていなかった。境界線より向こうは、きっちりといまだに青い空が広がっている。

「すげぇ……」

 セモンは。思わず声を漏らしてしまった。そして新たな姿となった《魔女の村》を見渡し、戦慄した。

 光景が、大きく変わっている。夜空に変わっただけではない。『さびれた村』でしかなかったはずの《魔女の村》が、数倍の規模を誇る漆黒の街に変わっている。家々からは、とんがり帽子をかぶった少女たちが現れはじめた。

「……ハクガ」
「はい、何でしょうか?」
「《適応者》っていうのは、いったい何人いるんだ?」
「最大でも二十人ほどだと言われています。ちなみに、この村に住んでいる《適応者》は、先ほども言った通り、わが師、ハクアさんだけです」
「!?」

 セモンは再び言葉を失った。《適応者》は、言ってみればこの世界の『プレイヤー』。それが一人、という事は……

「あの人たちは、全部NPC……!?」
「はい。それも、セモンさんの知っている者とは少し異なると思いますが……とりあえず、ハクアさんの所に行きましょう」

 ハクガがトコトコと《魔女の村》もとい《魔女の町》へと歩いて行った。セモン達もあわてて後を追う。

「ハクアさんの家は、《魔女の村》の中でも比較的小さい家です」
「へぇ……」

 NPCだらけの街で、唯一のプレイヤー。しかし、その家が比較的小さいと聞いて、セモンは少し驚いていた。プレイヤーよりもNPCの方が力が強いのだろうか。それとも、何か別の理由が……?

 と、その時、おもむろにカズが口を開いた。

「そういえば、この村……っていうか、町の家って背が低いよな。なんでだ?」

 カズの疑問は最初、少々不思議に思
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ