第四章
名前が気になった彼は眠気に身を任せ怒りを覚える。
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っ!
「死に晒せやぁっ!――………………ポス」
「………」くっ、ククッ――。
もやしごときに笑われた……。漢としての俺が息してないだろこれ。
早々に屈辱を味わってしまった。ちょっとだけ男泣きしちゃう。しくしくメソメソエッサッサー。
でん○ゃらすじーさんネタなんて分かるわけねえだろ俺……。やっぱり俺はセンスがマイナーな人間なのかもしれない(現実逃避。
ちょっと待て、なんだよ「……………ポス」って!
言うまでもなく答えは運動不足だった。
「ちぃっ!覚えてやがれっ!」
「……いやいや、噛ませ犬臭すごすぎだろ」
「噛ませ犬臭とか言うな。……何か獣臭そうだろうが」
俺が白々しい目で対応すると、比企谷もすこし怖じ気づいた様子で後退りする。
彼は誤魔化すように話題を振ってきた。
「ところでお前材木座の書いたあれ、ちゃんと読んだか?」
「ああ……あれね。ありきたりな学園バトルものと胸の奥にわだかまりを覚える単語にはすこし気後れしたけど、まあ途中までは読んださ」
内容は大まかに言うと日本の京都あたりを舞台にし、夜の闇と静けさの中で秘密組織前世の記憶を持った能力者たちが暗躍し、それをどこにでもいる普通の少年だった主人公が秘められた力に目覚めて、ばったばったと薙ぎ倒していく一大ギャグコ……一大スペクタルである。
最後までは読まなかったものの内容はだいたい把握できた。
「へー、意外だな」
「ほら、俺は自分個人の考えと仕事とをキチンと割りきれる人間だから」
「へー」
こいつ話聞く気ぜんぜんねえだろ。
さすがに呆れるはー。
まあ、こんくらいのやる気のなさが丁度いい。だいたいこいつもちゃんと読んで来てるみたいだし……割りきってんのは同じかもしれないや。
あー、どうでもいいけど潮風きもちいぃぃいいい!さいこーに気だるい。変なテンションになるレベル。
心ん中で地の文がだんだん乱雑になってってくから、もう眠くて目も、開けられなくなる。
すごく、眠い。……安っぽい感情表現。
比企谷も何にもしゃべらない。俺は静かに瞼を伏せて、今日も窓際で、温かく、気だるい――昼休みを、
過ごして――その瞬間カーン、と高い、硬質な金属音がした。窓の外からしてきたのは分かるが、外のどこからしたのかが分からない。ただ言えることは目を開けてしまったということだ。
ガタリと音がしたのを見ると、一人の女子生徒が席に着いたところだった。
青い……青みがかかった黒髪の、女の子だった。
どうでもいい。どうでもいいと思った。何も思ってないつもりだった。
けれどその女の子のことしか今は見えてなかった。眠気が増した。悪くないと思った。
ああ、綺麗な青い髪だ。綺麗な肌色だ。綺麗な、綺麗な景色だ。
安っ
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