第四章
名前が気になった彼は眠気に身を任せ怒りを覚える。
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ーキを……。
まだ焼け切ってない未熟な面を、また違う温度でフライパンに焦げ付かせて。
それきり掴まえてほしい。できれば、焦げた面はフォークで削いで、腐った僕はナイフで殺いで……君のその小さな桃色の唇で、ゆっくり全部噛み砕いて……。こんなの全部呑み込んで、消してしまってください。
ああ、どうやらこの緩い風で俺の頭はやられてしまったらしい。
こんなだから千葉の街はあまり好きじゃない……。
ところで、総武校ってクーラー有ったっけ?少し、この頭を冷やしたいと思った。
再び手を額に当ててみると、その腕は千葉の風に曝されて、やっぱり少しだけぬるい。
僕にはまだ自分でも不明な点が多い。
それは記憶が曖昧だからだとか、そう言うわけもあるんだけれど、
とにかく、今は歩き出さなくちゃいけない。
× × ×
昼休み。今日も教室では喧騒が巻き起こっていた。
『無囲色』とか言う良くできた「後でのたうち回るランキング」があったら俺史ぶっちぎりの中二病ワードで自らを語らせてもらっている身としては、やはり興味を持たないざるをえない。
ギャーギャーと血走って盛った猿みたいな奇声をあげているが、それを聞いた他人がどう思うかなど考えもしないのだろうこのギャーギャーギャーと血走って盛った猿どもが。
うるさいんだよ。
いい加減にしてくれ。迷惑だ。
君らはバカだから分からないかも知れないが、君らが意識してないだけでこのクラスの中にも君たちにとって『他人』である人間もたくさんいるんだ。その中には君らを迷惑に思ってるやつもいる。
だから理解できないんだそんな中で人目を無視して騒ぐ、その神経が。
いったい全体どういう教育を受けてきたんだ。黙れ。このキチガイどもが。本当におかしいぞ。
だから場をわきまえようか。君らの回りにいるのは決して友達とか言う馴れ合いの関係者だけじゃない。《他人》だ。君らと違ってまともな教育を受けたであろう真っ当な人間の邪魔をするんじゃない。
そういうわけなんでリア充は帰ってどうぞ――。
「おい桐山。ギラギラと殺気だって目が血走った狂気に盛った人みたいな顔してるぞ、猿」
「ごめん比企谷……一発ぶん殴るぞ?」
だってこいつ、いきなり現れたくせに酷くね?なんだよ「人みたいな顔してるぞ」って。まるで俺が人じゃないみたいな言い方じゃねえか。おまけに最後の「……猿」という一言で俺が猿畜生として扱われたと確信できちゃったよ。つまりこれは名誉毀損であり道徳の教科書で言うところの「心へのパンチ」。すなわちぶん殴ったところでそれは正当防衛なんですねわかります。と、言うわけで、鋭く踏み込みコンパクトに拳を突き出す――狙いは避けにくく致命傷になりやすい肝臓
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