形を変える世界-1-
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後
ピピピピピピピ・・・・・・
「う・・・・・・朝か」
枕元に置いていた携帯電話のアラームが鳴った。寝ぼけ眼のまま手探りで携帯を探しアラームを止める。今日も快晴らしく、カーテン越しに認識出来る程、太陽の輝きが満ちているのがわかる。俺はベッドから降り、軽く体を伸ばした。現在時刻は朝の7時、まだ布団が恋しいのだが、これ以上のんびりしていると二度寝を決めてしまう上に最悪の場合遅刻してしまう。これは、去年の一年間で充分身に染みた事であった。
「さっさと飯食ってシャワー浴びて・・・・・・」
朝飯にありつく為に、階段を降りてリビングに向かう。母さんが台所で朝食の準備をしていてくれるからだ。しかし、軽く体をほぐして眠気を追い払ったと思っていたが、まだ完全に目が覚めた訳ではないらしく若干足がおぼつかない。
「母さん、おはよ・・・・・・ってあれ?」
そこに母さんの姿は無かった。辺りを見回すと昨日の晩飯時に使ったテーブルの上に、まだ焼いて間もないと思われるソーセージ、玉子焼きに味噌汁、千切りキャベツとトマトのサラダ、そして広告の裏にマジックで書いた手紙が置いてあった。
「『急な仕事が入ったから先に出ます、ご飯は炊いてあるから勝手に食べて学校に行ってください。戸締りだけしっかり宜しく。』か。朝から大変だなぁ母さんも」
事務仕事と聞いてはいるが、事務に早出をしなければいけない仕事などあるのだろうか?相変わらず不透明な仕事をしてるなぁ。
「さてと、んじゃ適当に食ってちゃっちゃと学校行くか」
リモコンを操作しテレビを付け、用意された朝食を食べる。基本的にウチの玉子焼きは出汁を効かせたタイプでどちらかと言うとしょっぱい味付けになるのだが
「んー・・・・・・なんか最近、砂糖が一杯入った甘い奴の方が好きになってきたな。というか甘党になってきてるな確実に」
昔は、ほんのりしょっぱい玉子焼きをおかずに暖かいご飯を食べるのが毎朝の楽しみであったのだが、大人になるにつれ味覚が変わってきたのであろうか、「ご飯+おかず」と言う組み合わせではなく「ご飯」と「おかず」、一品毎に個性を求める様になった気がする。・・・・・・しかし、何と言うか
「むしろ大人って言うより子供に退行しつつある、ってのが正しいのかもしれんな」
傍から見ると子供がご飯の味付けに対して、我が侭を言っているだけの様にも見える気がする。
「こういうのは自分で稼ぐ様になってから言わないとな」
ご馳走様、と一人呟き台所のシンクに食器を持っていく。そういえばテレビを付けたまま何も見てなかったな、そう思いリモコンを操作しチャンネルを変える。何度か放送局を変えると「女神様の!キラキラ占いコーナー☆」と女子アナウンサーの声が聞こえてきた。
『はい!今週も後半
[8]前話 [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ