ルリム・シャイコースとの戦い W
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れまくっている。人一人の命を背負っているのだ、当然だろう。
(それなのに、そんな様子は殆ど見せずに、私の心配をしてくれている・・・)
本当なら、彼だって叫びたいほどの気持ちを抱えているはず。だが、祐里を不安がらせるわけには行かないと、それを必死に我慢しているのだ。
・・・なんて優しい人だろう、と祐里は思った。
そして、決断した。
「・・・護堂さん。決心、しました。」
「・・・ッ!」
「・・・お願い、します。」
スッと、祐里は静かに目蓋を閉じる。少しだけ顔を上に向け、護堂の目線へと合わせた。
「・・・いいんだな?」
「・・・女性にこれ以上言わせるのは、酷いと思いませんか・・・?」
「・・・・・・そう、だな。」
護堂の纏う気配が変化した。類稀なる霊視の能力を持つ祐里には、目を瞑っていても、それが強大な《炎》、《太陽》と《支配》を司る神の権能だということが分かる。
「我、炎を統べる者。我、焔を司る者!・・・祐里。例え世界全てを敵に回しても!例え全ての神様を敵に回してでも!俺と共に生きると誓えるか!?」
「・・・誓います。私、万里谷 祐理は、草薙護堂と永遠を共にすることを誓います。」
二人の唇が、重なった。
「・・・んぅウウウウウウウウウウウウウ!?」
轟!と膨大な呪力が放出された。それらは散ることなく、炎の粒子へと変換されて祐里の肉体へと吸い込まれていく。
激痛が走る。ルリム・シャイコースに体を変質させられた時は感じなかった痛みを感じた。というのも、一度人外に変質させられた身体を上書きしているのだから、当然なのだが。
「ん!ンウウ!ンああああああああああああ!?」
篭った声が響く。身体に走る激痛に耐えられず唇を離そうとしても、護堂の唇はそれを許さない。決して逃がしはしてくれない。舌と舌が絡み合い、涎が口の端から流れ落ちるが、二人はそんなこと気にしていない。
ガリガリと。
痛みに耐えかね、爪を立てる祐里が、護堂の首筋を引っ掻いている。華奢な身体とはいえ、人外に変質している最中の彼女の力はそれなりに強い。護堂の首筋からは、幾筋もの血液が流れ落ち、祐里の指へと絡まる。
「・・・んぅ!・・・んぁ!」
段々と、彼女の身体の痛みが治まって来る。そして、彼女の瞳から、一筋の涙が溢れた。
「・・・ん。」
「・・・ぁ・・・。」
それを見た護堂が舐めとる。その行為によって更に祐里の体温が高まり、顔が赤くなる。そして、それを隠すかのように、護堂へとキスの続きをねだった。
「んっ!」
彼も、拒否などしない。今はこの愛おしい娘を抱き続けたい、とそう思っていたから。
「・・・んぁ・・・・・・
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