ルリム・シャイコースとの戦い W
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日といえど、彼もまた神殺しの一員なのだ、と彼女は思った。神と戦い、打倒出来る事が嬉しいのだ。命をチップにする最悪の賭け事。その高揚感がたまらないのだ。彼は気がついていないかもしれないが、血に飢えた獣のような獰猛さを醸し出していた。
PiPi!PiPi!PiPi!
甲高い音が、彼女の思考を遮った。音の出処は、彼の首元。そこに付けられた、注意して見なければ気がつけないほど小型の機械だ。
「通信か。」
『護堂君ー。彼女とは会えた?』
護堂が通信を始めると、聞こえてきたのは女の声だった。祐里も知っている。【伊織魔殺商会】が送ってきたPRビデオに出演していた女性。今、世界で最も有名な女性。
【聖魔王】名古屋河鈴蘭。その超大物が、通信してきているのだ。
「大丈夫なんですか?ダウンしたって聞きましたけど。」
『あ〜大丈夫大丈夫。私結構頑丈だから。気分は悪いけど、ドクターとリッチさんが手を尽くしてくれているしね。ただ、流石にそっちに行くのは無理かなぁ。・・・で、ちょっと時間が無いから単刀直入に。・・・・・・時間切れ。私たちの持つ監視衛星が、そちらの状況を捉える事が出来た。ルリム・シャイコースは怪我を治し終わったよ。今、君たちを探している。』
「アンタたち、人工衛星まで持ってるのかよ!?」
ルリム・シャイコースよりもそっちのほうが衝撃的だった護堂は叫んだ。SFじみた魔術関係者だとは思っていたが、まさかこれほどとは。
『まぁ、金も資金もあるんだから、やりたいことは全部やっとかないとね!・・・あぁ、安心して。普段は使っていないからプライバシーの侵害もないし、漫画みたいに広域破壊兵器を搭載とかしていないから。アレは周囲への被害が凄くなるしなぁ・・・、』
まるで思い出すかのような鈴蘭の遠い声。実は、隔離世で対神様用兵器の試作品の実験をしたことがあるのだが、周囲数キロメートル全てが吹き飛ぶという威力の兵器を作ってしまって、計画は中止になったのである。
まつろわぬ神を確実に殺そうと思うなら、それ程の威力を用意しなければならなかったのだ(因みに、魔術的な加工は施されているため、神にもダメージを与えられる)。
そも計画の名は、『まつろわぬ神自動虐殺計画』というふざけたものだった。
「監視衛星打ち上げる事がやりたいことって・・・アンタは何をしたいんだ・・・。」
『え〜!楽しそうじゃない?』
「楽しくねえよ!宇宙飛行士とかなら兎も角、監視衛星に憧れる女性ってなんだよ!?」
叫ぶ護堂。彼女の行動に呆れた彼は、言葉遣いが怪しくなった。
『まぁ、馬鹿話もこれくらいにして。』
護堂の叫びを聞かなかったことにして、緩んだ空気を鈴蘭が正した。
『護堂君。ドクターから聞いた
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