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カンピオーネ!5人”の”神殺し
ルリム・シャイコースとの戦い W
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不都合があるというのか?『人とは違う』者になるだけだ。例え、自分の身体が人間のモノではなくなったとしても、一生この場所から逃げられない肉体よりはずっとマシなハズである・・・と、彼は無意識に感じていた。

 例え人間と呼べない生き物になるとしても、『自分らしく生き』、尚且つ『生き残ること』を最優先に考えられる日本人など、一体どのくらいいるだろうか?

 ・・・しかし、この方法には問題がある。

『成功率は、5%ってところだから、オススメはしないがね。』

「・・・やっぱりか。」

 例えドクターとリッチ、そして鈴蘭が協力したとしても、体を丸ごと入れ替えるなんて芸当が、ホイホイ出来る訳がない。沙穂のように、全身を機械化するという方法も残されているが、そちらの成功率も似たようなものである。
 沙穂の場合、既に死んでいたから無茶な改造ができたのであって、生きている祐里が肉体改造に耐えられるかどうかなど、所詮は運に任せるしかないのだ。

「他には・・・本当に方法はないのか?」

 苦い思いを飲み込み、護堂は質問した。今は落ち込んでいる場合ではない、と自分を諌めながら。

『あとはもう、そういう権能を手に入れるしかないだろうね。例えば、『時間回帰』、『権能破壊』、『権能による権能の上書き』。こういった類の権能を手に入れるしかないと思うよ。』

 本当は、他にも方法がある。それも、ほぼ確実に成功する方法が。・・・それは、存在を司る神、マリアクレセルに依頼することだ。
 ・・・しかし、鈴蘭たちが神殺しとなったあの戦いの時、彼女たちは言われている。もう二度と、このようなことはしないと。
 頼まれたからといって、前言を撤回するような神ではないのをドクターは知っている。一度決めたことは、絶対に曲げないのだ。だからこそ、最初からこの選択肢を外していた。

「権能・・・か。」

 人によって、まつろわぬ神を倒した時に手に入る権能は変わってくる。そんな不確実な物に頼っていたら、一体何年・・・いや、何十年掛かってしまうのだろうか?

 ・・・いや、しかし・・・・・・

「ドクター。話がある。」








「・・・・・・私は、どうするべきなのでしょう。」

 鈴蘭に連れてこられた、小さな診療所。当然、ここも凍りついていたが、鈴蘭が権能で創り出したフカフカのベッドに、祐里は寝かされていた。つい今しがた、意識を取り戻したばかりである。
 ・・・建物ごと凍りついている時点で、診療所に入る必要性など欠片も存在しないのだが、そこは気分と言うやつだ。怪我をした人間を運ぶなら病院、という固定概念があった為に、咄嗟にここを選んだにすぎない。

「・・・ッ!」

 彼女は、体を蝕む幻痛に顔をしかめた。身体自体は、
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