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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第242話】
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わからないが。


「ほう、我がドイツのゲームだな」


 そう言ったラウラは、何処か嬉しそうな声色で言い、腕を組んで何度も頷いていた。

 バルバロッサの箱にはドイツの国旗が描かれていたからそれが嬉しいのだろう。


「それで、これはどういうゲームなの?」


 シャルが代表して鈴音に聞くと、嬉しそうな表情を浮かべながら簡素に説明を始める。


「ふふん。 このカラー粘土で何かを作って当てていくゲームよ。 質問とかしていいわけ」


 中から取り出した多色の粘土を手に持って説明する鈴音――と、素朴な疑問を感じたのかセシリアが。


「鈴さん? それだと、作る人の技量で左右されるのではなくて?」


 これに関しては皆が思った疑問だろう。

 作り手の巧さに左右される――ところが。


「ううん、そんなことないわよ? 寧ろ逆ね。 上手に作りすぎると、直ぐに正解されてポイント入んないの。 だから、適度にわからないくらいがいいわけって事ね」

「……じゃあ、下手すぎるのも不利なんじゃないのか、鈴音?」


 俺がそう言うと、首を横に振って――。


「そんなこと無いわよ? 要は質問次第ってわけ。 答えに当たりをつけて、質問で埋めていけば大丈夫よ。 ……だから、粘土の形よりも、どういう質問をするかがこのゲームの勝敗を決めるって訳。 ……んじゃ、最初はアタシが説明役に回ってあげるから、あんた達だけでやってみて」


 そう言って各人に粘土を配る鈴音。

 手慣れた手付きで渡していくその様は、まさに盛り上げ役――って言ったら怒りそうだから心の中に閉まっておく。


「……粘土かぁ。 小さい頃以来じゃない、お兄ちゃん?」

「……だな。 俺らは保育園だったから夕方まで預けられて、よく遊んだな。 なあ未来?」

「そうね。 あの頃と違うのはやっぱり私たちが成長したって所かな?」


 ……未来は特に、胸が絶賛成長中だがな。

 そろそろ篠ノ之に追い付きそうな気がしなくもない。

 この場でその発言すれば、皆から突き刺さる視線で殺されるから黙っておこう。

 そう思いながら、手渡された粘土を捏ねて形を作っていった――。
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