第八十六話 見えない影に
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しデュランダル議長側が圧倒的に有利であったというならメサイアに帰還するという名目でメサイア内部に潜り込んで工作するつもりだったが、幸い?というべきか若干不利な状況は進んでいる。
(メサイアで戦力を温存してるのか、それとも本気で押し込まれてるのか……ま、どっちにしても俺には大して関係ねえな)
ダナの目的はこの戦争をもっと継続させることなのだ。故に、最終的に誰が勝ってもそれが一方的なものでなく、戦争が継続するというのであれば問題はない。しかし、ただそうなるだけでは裏切ってまでザフト側についた意味が薄くなる。
「だからまあ最終的には俺の付いた方のザフトに勝ってもらう必要があるが……その時にデュランダルの野郎がいたんじゃ困るしな。要はタイミングだっていうことだ」
自分の手で始末するにはばれたときのリスクが大きい。だからこそアメノミハシラの艦隊を潰し切らなかったわけだが、それもまた自分の思い通りになるという面では怪しい。ダナはここから調整役としてまだまだ暗躍しなくてはならないだろう。
「というわけで、まずはアンタ等からだ」
そう言ってダナのネロブリッツと同じようにミラージュコロイドで隠密行動を取っている味方機の部隊はラー・カイラムに向けて接近する。戦場でミラージュコロイドによって上手く隠れているダナを見つけるのは至難の業だ。あと少しすれば艦橋を潰せる。そう思える位置までダナが来たとき――――
『何者だ!』
金色の機体が突如として突っ込んできたのだ。慌ててトリケロスでガードする。一体何故ばれたのだと考える、そうやって考え込む間など与えられるはずもなく追撃が来た。
『無駄だ!例えミラージュコロイドであったとしてもこの僕に見通せぬものはない!!』
あ、面倒くさいタイプだ、こいつ――――そんな事を思いながら、発見されたことよりも目の前の相手と相対しなければならないことにうんざりする。トリケロスで敵の攻撃を迎撃し続けるが、予想以上に高い威力のビームランスに押し込まれてしまう。
『このルドルフ・ヴィトゲンシュタイン!伊達に機体をゴールドにしているわけではない!!』
このゴールデンギャンクリーガー――――装甲はエマルジョン塗料による黄金色であり、半液状となっている。それはビーム兵器に対する耐性をそれなりに持たせているのだが、この装甲の真の目的は見えない敵の感知、即ちミラージュコロイド対策であった。
エマルジョン塗料がミラージュコロイドの微量の粒子を捉え、付着した粒子に対して反応する。それがそのままOSに書き込まれたデータによって自動で微量の粒子が付着した際の勢いや密度を計算し、相手の位置を割り出す一種のミラージュコロイドセンサーとなるのだ。
一見不可能なことだと思えるが、実はこの技術――――少し前に純粋な実
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