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THE HOBI〜第一章 選ばれし者たちと祈りの力〜
第一話 『all』
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死にたくない。生け贄だ。人間の、生け贄だ。赤子か女だ…デオ様よ…助けたまえ…」


モロクは横にシーが立っているのを見つけ凄い形相でシーを見つめた。
その顔はまるで悪魔に憑りつかれたものであった。



    「ガッッ!!!」


シー 「痛いッ!!!」



静まりかえる村にシーの声が響きわたり、
正気を失ったモロクはシーの髪を掴み、抱き上げ祭壇へと走り出した。


アサ 「しまった!!!奴を追えッ!!」

村民達 「… …」


村民達は誰も動こうとしない。



アサ 「クソッ!!」

モイル「アサ!追うぞ!」

アサの親友のモイルと共に二人は走り出した。







アサ 「ハァ、ハァ(頼む間に合ってくれ!!)」





モロクとシーは村の外れにある祭壇へと着く。

モロク 「ハァ…ハァ…来るな!!アサ!動けばこいつを殺す!」

モロクはシーの首にナイフをあてる。






アサとモイルに続きメシアが祭壇に着く。




メシア「ハァハァ、シーッ!!!」


アサ「メシア!!お前は来るな!」

メシア「無理に決まってるだろ!!シーは親友だ!!」





モロク 「こいつに親は居ない。ハァ、知ってるだろ?ハァ、ハァ。祖父母だけだ。死んでも誰も悲しまんだろ!?」

アサ 「ふざけるな!そんな事お前には出来ん!」

モロク 「いぃや、できる。あの病の一人目を知ってるだろ!?この女の母だ。この病はコイツの母の呪いだ!悪魔になったんだ!!」



泣きながら震えるシー

モロクの手の震えは次第に大きくなる。


アサ「止めるんだ…モロク、デオ様はそんなこと望んではいない」

しかし説得には耳を傾けないモロク。



モロク 「デオよ…我はあなたを崇拝し、全てを捧げましょう…この女の命をもって…」









モロク 「我を…」








モロク 「救いたまえ…」





モロクはナイフを天に掲げシーを見つめている。





シー 「ごめんねぇ…メシア…」



シーは震えた声でメシアの方を向き、呟き、…微笑んだ。




アサ   「やめろぉぉー!!!」
メシア  「やめろぉぉー!!!」









「シュッッッッ!!!!!!!!!!」








鈍くも鋭い音が響いた。


    …。






    …。




    …。







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