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渦巻く滄海 紅き空 【上】
十四 急転直下
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から飛び降りようとした。抗議しようとする彼女の肩を咄嗟に掴み、君麻呂が静かに囁く。
「ナルト様の邪魔をするな。あの方の事だ。何か考えがあるのだろう」
ハヤテの言葉に激怒する多由也とナルトを絶対的に信じている君麻呂。二人が観覧席で押し問答している事など知らず、礼儀正しくハヤテ含む上忍達にナルトはぺこりと頭を下げた。
既に戦意喪失し、呆然としているドスを見て、ハヤテは大きく声を張り上げる。

「ゴホッ…勝者、我愛羅!!」
自身の名が呼ばれても我愛羅はずっと、ドスを医務室へ促しているナルトの背中を見据えていた。

試合に担当上忍が割り込めば、その上忍が庇った下忍が失格。同じく下忍が試合に割り込んだ場合、助けに来た下忍も助けられた下忍も連帯責任ということで失格になる。たとえ前試合での勝利者でも本戦に出場する権利を剥奪されると、試験の規則によって定まっている。
ドスを庇ったナルトに向かって、ハヤテは無情にも次のように言い放ったのだった。


「試験の規則により……うずまきナルト、中忍試験失格!!」

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