第48話 男の子は母親好き、女の子は父親好き
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ちげぇよ。こうしてガキがゲップするのを待ってんだよ」
銀時が説明している間に赤ん坊の口から盛大なゲップが聞こえた。それを聞き終えると即座に赤ん坊を腕元に抱き戻す。
その仕草は流石は父親と言える様になっていた。経験を持っているだけあり結構手馴れたものでもある。
普段のだらしない銀時を知っている者は勿論のこと、だらしない姿の銀時しか知らない者達は今のその姿を全く想像出来ないだろう。気のせいか赤ん坊も銀時に抱かれていてとても安らいでいるように見える。
顔が似ているだけに本当に銀時の子なのではないかと疑ってしまいそうになってしまう。
「ねぇねぇ、この子私の弟に出来ないかなぁ?」
「無理に決まってるだろうが。只でさえ家の家計が火の車だってのに更にガキを養うなんざ面倒臭過ぎて死んじまうだろうが!」
赤ん坊を育てて来た経緯のある銀時だからこそ分かる。赤ん坊はかなり面倒臭い代物なのだ。まぁ、実際に言うとなのはの育児がかなり面倒臭かっただけなのだが。とにかく、もうこれ以上面倒臭い育児は御免被る。そう言う事ならしい。
が、そんな事を言って納得出来るほどこの少女は大人になってはいない。折角可愛い弟が出来ると息巻いていたのにのっけから反対された為にすっかりなのははご機嫌斜め状態となってしまった。
頬を膨らませて如何にも不満さをアピールしている所など年相応な仕草と言える。
だが、そんな事既に日常茶飯事。既に慣れっこな銀時はガン無視しつつ赤ん坊に必死だったりした。
回りでもなのはそっちのけで赤ん坊に夢中になっていたりする。
その光景がなのはには何所か面白くなく感じられた。
「どうした、頬なんか膨らませて?」
「別にぃ、何でもないもん」
意地を張ってそっぽをむき出す。そんな仕草をしたなのはに銀時が意地悪く笑みを浮かべ、その膨らんだ頬を突き始めた。
「何焼き餅やいてんだよ? こいつらが構ってくれないってんで拗ねちまったのか?」
「ぶぅっ!!」
図星を突かれたからなのか? それとも単に意地っ張りだったのか? 銀時の問いに答える事をせずになのはは店を飛び出してしまった。思い切り店の引き扉を閉めて足早に走り去って行く音が聞こえて、それきり足音は聞こえなくなってしまった。
突然のなのはの退出に一同の冷たい目線が銀時に突き刺さる。
とても冷ややかな、鋭利な刃物にも似た冷たい目線が銀時の体に無慈悲に突き刺さって行く。銀時はさながら黒○げ危機一髪の気持ちが理解出来た気がした。物凄く心が痛む。自分は間違った事などしてないのに何でこんなに心を痛めなければならないのだろうか?
疑問を胸の中で問いただしている間も周囲の痛々しい視線は続いている。このままでは銀時のSAN値がもたないのは明白の事。早々に出て行かなければ最悪発狂してしまう危険性す
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