十二 落ちこぼれ
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ら天井高く跳躍。更に残った三人がキバの真下に滑り込んで、空へ突き上げるような蹴りを一斉に放った。
三人の脚力で宙に浮いたキバ目掛けて、上空からナルが踵落としを繰り出す。
「【波風ナル連弾】!!」
単に、リーの【表蓮華】を参考にしたサスケの【獅子連弾】の真似事である。
顔面から床に勢いよく叩きつけられたキバ。ナルの蹴りと高速落下、そして地面に激突した打撃により、彼は試合続行不可能と判断された。
「勝者―――波風ナル!!」
ハヤテの言葉を聞いて、はあはあと荒い呼吸を繰り返していたナルが目を瞬かせる。信じられないといった風情で周囲を見渡した彼女は、ぐっと拳を握り締めた。
(オレ……強く、なってる…?)
自身が勝った事に未だ実感が湧かないナル。歓声に包まれる闘技場中央で呆然と佇んでいた彼女に、医療班によって担架に乗せられたキバが声を掛けた。
「少しは……強く、なったじゃねぇ〜の」
憎まれ口を叩きながらもナルを勝者と認めたキバ。
アカデミーの頃彼に何一つ敵わなかったナルは、その言葉を耳にして、ようやく自分が勝ったのだと自覚したのだった。
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