金字塔のデストロイヤー
閑話1
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も収入から考えるとかなり質素な生活を送っているからね。建物の改築なんかには十分な資金を投入するけど冥界と人間界に一つずつあるだけだし、回復アイテムの方も素材から自分で作ったりもしているから、それほど費用もかかっていないみたいだ」
『それでも過剰すぎるだろう。何処かと戦争でもするのかと思う量だぞ』
「それでも全力で戦えば丸一日で全て消費するらしいけどね。全力を出す為に、他にも色々と道具を用意する必要もあるらしい」
『あ〜、もう突っ込まねえぞ。この話は終わりだ。とりあえずこれが最後にしたいが、禁手化についてだ。固有結界、聞いた事はあるか?色々な文献なんかも漁ってみたが情報は0だ』
「こっちもそうだ。名前からして結界のはずなんだが、私達の知る結界とは全くの別物みたいだ。実際に体験した者達からの意見をまとめてみた所、一番近いのは次元の狭間だと思われている。本人に確認してみたんだけど、説明がし辛いらしい。ただなんとなくで使いこなしているみたいだ。強力だが魔力の消費も多いので長時間の展開も不可能だそうだ。そして発動には呪文も必要みたいなんだが、内容が理解出来ないんだ」
『どんな物だ?』
「英語のはずなんだけど、文法的におかしな部分が多い。本人は英雄の詩と言っている」
『本当に意味が分からねえな。これが何故英雄の詩なんだ?』
『……これは』
『何か知っているのか、ミカエル』
『これは彼が神器を初めて召還した時に唱えていた呪文です。9を救う為に1を切り捨て続けて来た男の詩だと。無償で人を救い続け、人々に裏切られて死んだとも聞いています。調べてみましたが過去にそう言った人物は居ませんでした』
『何故そんな詩を知っているのか気になるが、今はおいておくか。結界内の風景はその男の心象風景らしいが、なんともまあ味気ないと言うか、まるで機械か舞台装置だな』
「そうだね。不毛の大地に空に浮かぶ歯車、墓標の様に突き立つ剣とそれらを照らして鍛え直す炎。ものすごく悲しく虚しい人生を送っていたのだろうね。能力の方はどんな物か予想は出来るかい?」
『たぶんコストが結界の維持だけになるのと、剣の射出が可能になるのと、結界内に取り込むだけだろうな。禁手にしてはあまり性能が跳ね上がっていない様に感じるが、コスト度外視の性能を突き詰めた剣が全方角から豪雨の様に降り注いでくるからな。結界内に取り込まれた時点で生き残る方法はあの男の意思一つだろうな。ヴァーリだろうが赤龍帝だろうが二人同時に居ようが関係ないな。コカビエルと同じ最後を辿るだろうな。現に固有結界外で戦ったヴァーリが寝込む位の龍殺しの剣を普通に量産出来る程度の魔力はあるんだからな』
「敵にだけは回したくないね」
『同感だよ』
結局、
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