十 先見の明
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の如く、ハヤテがごほんっと咳払いした。
「ごほごほっ…では続いて第四回戦を始めますね」
ハヤテの言葉が終わるや否や再び電光掲示板が無作為に動き、次の対戦相手の名を表示した。
―――『はるのサクラ』VS『やまなかいの』―――
選出された木ノ葉のくノ一二名が、闘技場中央にて対峙する。
なにやら事情でもあるのか非常に気まずそうな表情をする両者。試合開始と共に双方は拳を握り締め、格闘を始めるが、どうもお互いに全力を出し切れていない感が否めない。
「なんつーか…お遊びの域だな、こりゃ」
「ヌルイな…」
くあ、と欠伸を噛み締める多由也と、呆れ果てたと表情に表している君麻呂が、試合を観戦しながら好き勝手にぼやく。
一方で向かいの観覧席では、やはりナルが眼下の二人に向かって声援を送っていた。
「サクラちゃ―ん、いの――!!頑張れ――――ッ!!」
「……いや、どっちかにしろよ」
サクラがいなくなったため必然的にナルの隣になったシカマルがぼそっとツッコむ。彼のツッコミを聞いて、ナルはこてんと首を傾げた。
「ううう〜…だってサクラちゃんは同じ班で友達だし、いのは幼馴染で友達だし…」
真剣に悩みだした彼女にシカマルは苦笑して「あ―俺が悪かった。二人とも応援してやれ」と促す。
そのため聞いてるこっちが恥ずかしくなるほどの声援を再び送るナル。観覧席から身を乗り出して一生懸命応援する彼女に、サクラといのが同時に叫んだ。
「「ちったあ、落ちつけ!!!!」」
緊張感の欠片も無い試合に、君麻呂・多由也は白い眼で木ノ葉の忍び達を見遣る。対してナルトは、まるで眩しいものを見るかのように目を細めていた。
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