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第二十七話 危機
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命拾いした僕は未だ収まらない心臓の鼓動を落ちかせつつ生徒会室へと向かう……途中で楯無さんに捕獲されて部屋に連れ込まれた。生徒会室にいるんじゃなかったの!?
「た、楯無さん。生徒会室で何かあるんじゃ?」
「いや、別に何もないわよ? なんだか食堂でヤバそうな雰囲気だったから呼び出しかけただけよ」
「……はぁ〜、助かった。本当にありがとう……」
タイミングが良すぎると思ったけどそういうことだったのか……。あれ? でもなんでわかったんだろ? あの場にはいなかったと思うんだけど……さすがにいたら目立つ人だから見逃すはずはないし。
「なんでって顔してるわね。生徒会長権限で学校のあらゆる監視カメラは生徒会室から音声付で見れるのよ。どこにスパイや亡国機業が紛れ込んでるかわからないしね。まぁ、いつも見てるわけじゃなくて今日は転校生なんてのがいたからたまたま、ね。ちなみに呼び出しも生徒会室からできるわよ」
「そうだったんだ……」
楯無さんのやってることにいちいち突っ込んでたらキリがないけど、今回ばかりは本当に助かった。あのままだったら逃げ出せたとしてもかなり不自然な形になっていた。
だからといって解決したかというとそんなことはなく、ただの先送りに過ぎないのだけれど。
「それにしても、まずいわね」
「やっぱりそう思う?」
そう、これが鈴さんだけとのやり取りだったら別に問題はなかった。なんとでもやりようはあったのだけれど、よりにもよって……。
「薫子ちゃんに変な興味を持たれたのはまずかったわね、さすがに無茶なことはしないだろうけどどんな記事書かれるかわからないわよ」
「そう……だよねぇ」
今までがうまくいき過ぎていた。遅かれ早かれ、こういう事態にはなっていたのかもしれない。
逆に、ここを上手く乗り切ればやりやすくなる。一度疑われたものを払拭できれば二度目はそうは疑われないはずだから……でも納得させるにはどうすればいいだろうか。
楯無さんとも対策を練りながら、僕は一晩中頭を悩ませることになった。
薫子さんのことだ、早ければ明日にでも動き始めるだろうから。
そして翌日、その悪い予感は的中することになった。
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