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IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
Development
第二十七話 危機
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ど私は2年の黛薫子、新聞部よ。あとでちょっとインタビュー付き合ってね」
「あ、はい。凰鈴音……です」

 なにやら二人は自己紹介をしているけどそれどころじゃない。さっきのが聞き間違いでなければちょっとピンチなんじゃ……。

「さて、積もる話はお風呂でしよっか」
「そうですね。んじゃ紫音さん、行こうか……ってどこ行くのよ!」
「あっ」

 こっそり二人が話している最中に抜け出そうとしたら見つかってしまった。
 いや、だってね! 一緒にお風呂なんて入れるわけないじゃないか! そんなことになった暁にはもう完全に弁解のしようもなく100%変質者だよ! いや、今さらとか言わない、そこ! って誰に言ってるんだ僕は……。

「ちょ、ちょっと鈴ちゃん? 何でいきなりISの部分展開までして私を捕まえるのかしら?」
「いや、なんか逃げようとしてるの見るとつい。っていうかなんで逃げるのよ、しかも部分展開して捕まえたはずなのに何で生身で抜け出してるのよ」

 あれなのか、猫が鼠を追いかけるような習性に近いのか。それなら僕は鼠か……はは、確かに追い詰められた鼠の気分だ。鈴さんがなにやら目を輝かせてにじり寄ってくるよ……。

「あ、あの。私はお風呂は……」
「あれ? そういえば紫音が大浴場使ってるの見たことないわね」

 ちょっと! 何でまた余計なことを……。

「ふ〜ん……なになに、何か隠してるの? あたしのことは洗いざらい聞いといて」
「いえ、別に隠し事なんて……」

 言えるわけないじゃないか……本当は男でしたなんて。

「おや、もしや特ダネの予感? なになに? そういえば更衣室で着替えてるとこを見たことがないって以前あなたのクラスだった子に聞いたことがあったわね。それに水着も季節が来る前に休学しちゃったし……そうなると紫音さんの肌を見た人っていないのよね……せいぜいISスーツぐらいか」

 あぁ、もう逃がすつもりはないみたいだ。ここで下手なことを言えば怪しいし変な疑いをかけられそうだし……どうすれば。

『1年4組の西園寺さん、1年4組の西園寺さん、至急生徒会室まで来てください。繰り返します……』

 この声は楯無さん? 助かった! さっきは場をかき乱す人種なんて酷いこと言ってごめんなさい!

「あ、呼び出しがかかったようなので行かないと……鈴ちゃん、ごめんなさい。また今度、ね。薫子さんも申し訳ありませんが今日のところは失礼しますね。それから織斑君のことは誤解ですからね!」
「あ、ちょっと紫音さん!」

 僕はそのままその場を抜け出す。さすがに呼び出しの効果があってか無理に止めるようなことはしなかったが、鈴さんの呼ぶ声は聞こえてきた。ごめん、鈴さん。また今度ゆっくり話そう、誤解も解かないといけないし。

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