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IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
Development
第二十七話 危機
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すね」
「あ……その」

 鈴もその様子を見て、自分の態度が失敗だったと悟る。恐らく留年したことが原因で周囲から浮いてしまっているだろうことは想像に難くない。朝何も言わなかったのは、鈴が忌憚なく話しかけてくれたことが紫音は嬉しかったのだ、と。

「えっと、うん。一夏達から。さすがに呼び捨てにするのは気が引けるから直させてもらうけど口調はこのままにするわ。だからさ、その……紫音さんもその丁寧すぎる口調はどうにかしたほうがいいわよ。今の二年生以上に対してならともかく、一年には。厳しいこと言うようだけど、いくら紫音さんが気にしないようにって言っても年上な事実は変わらない訳だし、だったらそれらしい付き合い方ってあるでしょ? それと、私にさん付けは禁止!」

 一気に捲し立てる鈴に紫苑は茫然としてしまった。まさか、会って間もない彼女にそこまで言われるとは思っていなかったのだ。しかし、彼女のように先入観がなかったからこそ気付けたことだろう。
 紫苑は今まで、年上であることを気にしないで同級生として一年生達に接してもらいたいと思っていた。しかしそれは一部の例外を除いて土台無理な話なのだ。鈴の言うように年上という事実は変わらない、ならばそれに合わせた付き合い方をしなければならない。
 言わば、今まで紫苑は年上でも気にしないでください、と器の大きいようなことを言いつつその実はコミュニケーションの取っ掛かりを相手に丸投げしていたに過ぎない。本来であれば、紫苑が彼女らに合わせて歩み寄るべきなのだろう。

「えっと、鈴ちゃん……でいいかしら?」

 遅る遅る、といった様子で話しかける紫苑。口調もある程度砕けた形になっている。とはいえ、紫苑の場合は紫音というある種架空の人物を演じているわけで、そこからさらに口調を使い分けるというのは難しい。今まで素の状態以外ではほとんど話し方も変わらなかったのにはそういった理由もあった。
 それを無理に変えようとすればボロがでるかもしれない、それでもやってみようと思えるくらいの心境の変化を鈴は齎したようだ。

「う〜ん、ちょっとこそばゆいけど、まぁいっか。改めて、よろしく紫音さん」
「えぇ、よろしく、鈴ちゃん」

 それは本来であれば当たり前の光景、しかし紫苑……いや、紫音にとっては新たな一歩といえた。






 
 はぁ、つくづく自分自身が嫌になるな……。まさか鈴さんにあそこまで言われるまで気付かないなんて。確かに、僕はいろいろ言い訳して受け身になっていたのかもしれない。
 それはもしかしたら、箒さんや簪さんに対しても……すぐには難しいかもしれないけど頑張ってみよう。

「あ、せっかくだから食堂で少し話さない? 聞きたいことがあるんだけど」
「えぇ、いいわよ」

 まだ全然慣れ
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