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IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
Development
第二十七話 危機
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も丸くなったとはいえ、スイッチが変わっただけで生来の気質は変わっていないようだ。既に顔は真っ赤になっており、再三にわたる鈴の挑発についにのってしまう。

「ふふん、構わないわよ。あたしと専用機『甲龍(シェンロン)』の力、見せてあげるわ」
「こちらこそ、わたくしと『ブルー・ティアーズ』がお姉さまの強さを証明してみせます!」

 セシリアの熱意がどこかずれている気がするが、それでも代表候補生、それも専用機持ち同士である。それは言い換えれば国の威信すらもかけたものである。その意識がお互いにあるかどうかはわからないが……いや、今のセシリアを見ればあまり無いのかもしれない。とはいえ、この組み合わせはクラス対抗戦の目玉になるだろう……本来なら。

「いや、クラス対抗戦は専用機禁止になったじゃん」
「は?」
「え?」

 しかし、それは一夏の一言で覆る。

「鈴はともかく……この前SHRで千冬姉が言ってただろ? なんでセシリアも箒も今聞いたみたいな顔してるんだよ……」

 実は、それが告げられたのはクラス代表を決める模擬戦の翌日である。二人ともその模擬戦で思うところがあり、考え事や妄想に花を咲かせてしまい聞いていなかったのだ。当然ながらその日は何度か出席簿の洗礼を受けることになったのだが。

「な、なんでよ!?」

 だが納得いかないのは鈴である。いきなりルールが変わるなどと言われて納得できるはずもない。

「あ〜……これは後で千冬姉に聞いた話なんだけどさ。ほら、丁度話に出た西園寺さんいるだろ? あの人が去年にクラス対抗戦でやりすぎたみたいで……」

 言うまでもなく、サラをはじめとした当時のクラス代表を全て同時に相手取り瞬殺した事件である。当時ルール変更を余儀なくさせたこともだが、わずか一年で再び変更せざるを得ない状況に追い込むあたり紫苑も大概である。

「は? なんで紫音が去年の対抗戦にいるのよ」
「ん? あの人事情があって留年してるらしいよ」
「あぁ……そうなの」

 このとき、鈴は『しまったなぁ』と内心で感じていた。鈴が会ったときはリボンの色で判断したため、同い年だと勝手に思って馴れ馴れしくしてしまったのだ。まぁ、留年などというレアケースを意識しろというほうが無理な話ではあるのだが。
 もっとも鈴はあまりそういったことは気にしないのだが、さすがに初対面の年上にタメ口で呼び捨ては気が引けた。同じ悩みで一夏がしばらく悶々としているのは鈴は知る由もない。
 ともあれ、もう一度話してみようと決めて鈴はこのことについては考えることはやめた。

「で、やりすぎたって何したのよ?」
「なんか、他のクラス代表全員と同時に戦ってあっという間に倒したらしい」
「……は? え、な、なんでそもそもそういう状況に?」

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