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東方攻勢録
第七話
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ゆっくりと刀を鞘に戻しため息をついた。


「はあ……少しは実力がつけばいいのだけど」


少女はそうつぶやいたあと、近くにあったちょうどいい石に腰を下ろした。


「今何時だったかな……ん?」


時間を気にしていた少女の目の前に、何か変な切れ目が現れる。すると、その間から一枚の紙が出てきた。


「紫様かな……」


手紙には『妖夢へ 話があるので一度戻ってきなさい』と書かれていた。


「話……なんだろう」


不思議に思いながら立ち上がると、妖夢は永遠亭に向けて歩こうとする。

その背後で誰かが見ていたにもかかわらず。


「今後の内容かな……でも手紙をだすなんていままでなかった……!?」


妖夢は背後から漂ってくる違和感を感じ取っていた。違和感の中には人の気配に似たものが混ざっている。左手を刀に添えながらゆっくりと振り返ってみる。そこには、フードをかぶった謎の人物が、こっちを見ていた。


「……誰ですか?」

「……」


謎の人物は何も答えない。

よく見ると、右手に光る鋭利なものを持っていた。似たようなものを持っている妖夢から見れば、それが何なのか一瞬で見分けがついた。長さからしてナイフだろう。それに模造品や偽者ではない。きちんと人を殺せるものだ。

緊張感が一気に張り詰める。


(いったいどこから――)


そう考えた瞬間、謎の人物から殺気が勢いよくあふれた。あまりの勢いに、妖夢は一瞬ひるんでしまう。

その後、謎の人物はナイフを握り締めたまま妖夢に向かってきていた。

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