暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
傲慢の先にあったモノ 〜Lucifer〜
[9/17]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
「そうだろう、ヴィヴィオ?」
『っ・・・悲しい・・・のも、痛いのも・・・全部作りものの偽物・・・。わたしは・・・この世界にいちゃ・・・ダメな子・・・なんだ・・・!』
「「っ!」」
ヴィヴィオの涙声の念話。でも今までのものと全然違う。言葉に籠められた感情が、救いを求めるものから自分の否定になっていた。
「「違う!」」
ルシル君の声と重なる。お互いを見合わして、バエルに再び視線を移す。
『違わない! もう・・・もういいの。なのはさん、ルシルさん。もう全部わかったの。2人は、フェイトさんも、本当の親じゃないって。わたしは兵器・・・なんだ。ゆりかごを動かすためだけの鍵・・・』
「そんなことはない! ヴィヴィオ、そうじゃない!」
「そうだよヴィヴィオ! そんなの違う!!」
『そうなんだよ! わたしは、この世界にいない方がいいんだ・・・! わたしがいたら、なのはさんやルシルさん、フェイトさんに、みんな。今すごく迷惑かけてる! わたしがいるからこの船が動いてる! だからわたしなんて・・・いなくなればいいんだ!』
ダメ。これ以上言わせたらヴィヴィオは本当にいなくなっちゃう。自分を否定するだけの言葉。それがどれほど自分を壊していくか。それをどうにか止めようとして口を開こうとした時、パンッって音が響く。
『「っ!?」』
「ルシル君・・・?」
それはルシル君がヴィヴィオの頬に平手打ちした音だった。ルシル君は真っ直ぐヴィヴィオの涙の溢れる目を見ている。そんなルシル君の目に宿るのは、怒りの色。その突然の行動に私はおろか、バエルすらも目を点にしている。
「要らない? 居なくなればいい? 怒るぞ、それ以上馬鹿を言えば。私は――もちろんなのはもそう思ってはいない。それだけは絶対に、だ。それは今までヴィヴィオと過ごしてきたみんなもきっと同じだ・・・」
ヴィヴィオの頬を叩いた右手を強く握って、辛そうにルシル君がそう言った。
「そうだよ。たとえ生まれ方が違っても、そうやって泣いてるヴィヴィオは作り物なんかじゃないんだよ。すぐ泣いちゃうのも、甘えんぼなのも、他にもたくさんのもの、全部を合わせてヴィヴィオなんだから。ヴィヴィオは、私にとってもういなくちゃダメなほど大切で大事で、大好きな娘なんだよ』
偽物だなんてことはないんだ。生まれ方なんて関係ない。ヴィヴィオがヴィヴィオであることに変わりないんだから。
「やめろ・・・やめ・・・っ!?」
「邪魔するなよ。クズが」
ルシル君がヴィヴィオの口を押さえて、バエルが喋れないようにした。
「確かに私は本当のママじゃない。でもこれからはヴィヴィオのママだって胸を張れるような、ママになって見せるから。だから、いちゃいけないなんて哀しい
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ