暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
傲慢の先にあったモノ 〜Lucifer〜
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ストリクトロック。そして私が扱える捕獲魔法の中で最高の練度を持っている魔法で、砲撃ディバインバスター、射撃ディバインシューターやアクセルシューターと共にもっとも信頼してる。

「捕えよ、縛鎖レーディング!」

私のレストリクトロックとルシル君の鎖(レーディングっていう名前みたい)で、その球体に縫いつけられるようにして完全に動きを封じられたバエル。これでもう動けないはずだ。あとはどうやってヴィヴィオを救い出すか、なんだけど。魔力ダメージでの“レリック”破壊って決めてたけど、出来ればヴィヴィオの体に負担は掛けたくないのが私の本音。

「っく・・・これは力が・・・!?」

バエルがどうにかして脱出しようともがくけど、抜け出せるようなものじゃない。ルシル君はそれでも警戒は解かないでバエルへと近寄る。

「今すぐにヴィヴィオを解放しろ、バエル」

ルシル君の命令口調の言葉がヴィヴィオを乗っ取っているバエルに浴びせられる。バエルは最初は黙っていたけど、何かを閃いたのかニヤリって口端を歪めて、嫌な笑みを作った。

「くっ・・・ハハ、知っているか、欠陥品、そして高町なのは。お前たちの守ろうとしているこの体の持ち主――ヴィヴィオ、だったか?」

『・・・やだ・・・や・・・』

「「ヴィヴィオ!」」

「この際だ。聞いてもらおうじゃないか」

『いやぁ・・・やだ・・・』

バエルが何かを言おうとするたび、ヴィヴィオの泣いている声が聞こえる。それに合わせてヴィヴィオの目から大粒の涙が溢れてくる。

「バエル! ヴィヴィオに何をしている!?」

ルシル君がヴィヴィオの両肩を掴んで激昂している。

「この体の持ち主に教えてあげているんだ。自分(ヴィヴィオ)という存在の正体を。ヴィヴィオは過去の存在――聖王オリヴィエ・ゼーゲブレヒトのクローン・・・」

「っ! やめて・・・」

それはヴィヴィオの知らないこと。だから言わないでほしかった。いつかヴィヴィオが大きくなってから教えようと思っていたのに・・・。

「高町なのはと欠陥品が、本当の親ではないと・・・」

「お願い・・・やめて・・・」

「この聖王のゆりかごと呼ばれる船を飛ばすためだけの一部品(キー)であり、自分が座する玉座を守り、ただ敵対者を滅するだけの生体兵器」

「やめて・・・お願い、もうやめてぇぇぇぇッ!!」

叫んだ。これ以上ヴィヴィオを傷つけないでほしかった。

「バエルっ、貴様ぁぁぁーーーーっ!」

「自らを保護してもらい、魔法のデータ収集をさせてくれる者を探していた。それがたまたまお前たちの居場所だった、というわけだ。残念だったな」

私の叫びも、ルシル君の怒りも、それを無視するかのようにバエルは話を続けていく。

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