暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
傲慢の先にあったモノ 〜Lucifer〜
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『パ・・・パ・・・!』
ヴィヴィオの涙声の念話にルシリオンが目を覚まして、なのはの両腕から離れる。そしてゆっくりとなのはに支えられながら立ち上がる。視線はヴィヴィオへ。いや、その体の中にいるバエルへ向ける。
「そんなこと出来るわけが・・・ない!」
――
傷つきし者に
(
コード
)
、
汝の癒しを
(
ラファエル
)
――
ルシリオンの体を包み込む蒼く優しい光。徐々に、しかし確実にダメージを癒していく。
「ごめんなさい! ごめんなさい、ルシル君!」
両目に涙を浮かべたなのはが何度も謝る。バエルの策に簡単に嵌って、ルシリオンを撃ったことを。
「・・・いや、あれは仕方ない。こちらの油断の所為もあったからな。だからなのはが謝る必要はどこにもない」
“グングニル”が光の粒子となって消えていく。
「・・・うん。ごめんね、ありがとう、ルシル君」
涙の浮かぶ両目を袖で拭ったなのはは頷いて応えた。ルシリオンは思考する。バエル攻略のための戦法を。相手は知覚を阻害し、“聖王の鎧”という防衛能力を以ってなのはの攻撃を防ぐ。その上どこから流れて来ているのか判らないが、バエルは魔力供給を行っている。
「次はどうすればいい、ルシル君・・・?」
そして最大の問題は、なのはのどこか辛そうな表情。原因は知れている。このゆりかご内に展開されているAMFだ。それがなのはの魔力と体力を必要以上に奪っているのだ。
「・・・ああ。やることは大して変わらない。ただ、さっきと同じような知覚阻害を受けた時は出来るだけ動かないこと。その間に私が何とかして知覚妨害を解除させる」
知覚阻害は兎も角として、AMFからなのはを解放する術はある。ルシリオンはヴィヴィオを救うために、その術を使用することを決める。それは魔術師の目指す4つの頂き、“神の力ディヴァイン・ポイント”が1つ、創世結界。使用するのは“聖天の極壁ヒミンビョルグ”。宝庫と居館は、さすがにヴィヴィオの体を必要以上に傷つけると考えた末の結論。
「うん。判った。その時はルシル君に任せるよ」
「話し合いはもういいか? なら続きと行こう。この体の持ち主もそろそろ限界だろうからな。意識が完全に途絶えてしまう前に、欠陥品の最期を見せてあげなければ・・・!」
バエルの背に、骨組みのようにも見える左右非対称の翼が展開された。
「やってみろ。・・・ヴィヴィオ! もう少しだけ頑張ってくれ!」
「すぐに助けるからね!」
ルシリオンとなのはがヴィヴィオに声援を贈る。負けるな、と。助けるから頑張って、と。
『ママ・・・パパ、うん・・・』
「不愉快だ。もういい」
バエルは表情を怒りに変え、ギリッと歯噛みする。背にしている骨組みのような翼が強く虹色に輝く。
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