暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
傲慢の先にあったモノ 〜Lucifer〜
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んでやる」

「っ! 逃げろ、なのは!!」

バエルは私を一度なのはに叩きつけてから、なのはともども球体に突っ込むつもりだ。そんなことをすれば、私は兎も角としてなのはが耐えられない。

「くそっ、離せ!」

「無駄だ。さぁ、もう少しで――なにっ!?」

急にバエルが停止した。浮かべる表情は苦悶、驚愕、憤怒。ゆっくりと私の頭から右手が離れていく。

「ルシル君・・・」

なのはが私の側へと来た。なのはへの攻撃は終わっているということだ。ならリンはもう必要ないな。これ以上持続展開させておくのはまずい。

「どうなって・・・?」

なのはの疑問に答えられない。私にも判らないからだ。

『これ以上・・・なのはママとルシルパパを傷つけるなんて許さない!』

「「ヴィヴィオ!」」

「おのれ・・・たかが人間が、しかもさらに下等な子供に!」

バエルが自分の頭を抱え、苦しみ始める。まさか、バエルが動きを止めたのは、ヴィヴィオの意思によるものなのか?

『なのはママ。ルシルパパ。今の内に・・・わたしがバエルを止めてる間に・・・!』

「ヴィヴィオ・・・。ルシル君・・・!」

「ああ。ヴィヴィオ、なのはママからキツイ一撃だ。耐えられるか?」

『うん・・・耐えるよ・・・!』

強い意志だ。これならヴィヴィオは大丈夫だろう。なら私は、私に出来ることをしよう。

我が手に携えしは友が誇りし至高の幻想!」

使用するのは、大戦時においては最強の捕獲結界と謳われた結界術式。そして以前、“ジュエルシード”の暴走を抑え込んだものだ。あの時は使用そのものを禁じられていて、その上魔力量がAAということもあり死にかけたが、今は使用の制限も受けていないし、魔力量もSSSだ。それでも圧倒的に足りていないが、前に比べればペナルティは弱くなるのは間違いない。

「バエル。これが人間(ヒト)の強さだ。お前は、“意志(こころ)”を計り損なったんだ」

「馬鹿・・・な・・・有り得ない――」

「わたしを返して」

「この・・・ような・・・」

バエルの言葉の中に、少し大人びたヴィヴィオの声が混ざる。バエルの意識が、ヴィヴィオの意識に負け始めている証拠だ。

「結界王の名に基づき具現せよ。一方通行(サンダルフォン)の聖域!」

バエルを閉じ込める桃色の正八面体の捕獲結界・サンダルフォンの聖域。その効果は以前と同じ。結界内に捕えた対象の魔力行使を全てキャンセル。そして外からはいくらでも内に魔力干渉が行えるという、当時、反則術式の一角を担っていたものだ。これで一切の魔力行使は出来ない。あとはバエルの持つ神秘による防衛力だが、それに対しての策もある。

「ヴィヴィオ、いくよ」

「・・・うん!」
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