暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
傲慢の先にあったモノ 〜Lucifer〜
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Protection≫
私たちを覆うように球体のバリアが張られた。確かこれは防御に専念するようなときに使うものだったはず。遅れてあの魔法の効果が表れた。7つの魔力弾が突如爆散し、無数の小型魔力弾となって全方位から私たちに襲いかかってきた。なるほど。なのはがオーヴァルプロテクションを選択した意味が解る。
「くっ・・・!」
なのはが苦悶の表情を浮かべた。
魔力弾
(
コレ
)
を防ぎきることが難しいようだ。ならば、多少の無理をしてでもなのはを守り抜かねば。それが、フェイトとシャルとの約束だから。
「我が手に携えしは戦友が誇りし至高の幻想・・・!」
――
天花麗盾
(
クリュスタッロス・アントス
)
――
複製術式を“英知の書庫アルヴィト”から引っ張り出し、発動する。白銀色の雪結晶の盾を全方位に展開。この術式の持ち主は、当時の恋人シェフィリス・クレスケンス・ニヴルヘイム。氷雪系最強の魔術師シェフィの、最高クラスの防性術式。使用許可が下りていない最高位の複製術式の発動。激しい頭痛だが、なのはの負担を軽減させるためだ。だが、『逃げて・・・ママ! パパ!』ヴィヴィオの焦るような念話が届く。
「遅い!」
バエルが両手を私たちに向けて翳す。その両手に集まるのは、見覚えのある黄緑色の閃光。バエルから放たれたのは、「馬鹿な!」サタンのレーザー群だった。しかも今までのような直線的なものではなく、湾曲しての全方位からの集中砲火だった。
――
知らしめよ
(
コード
)
、
汝の力
(
ゼルエル
)
――
発動中の術式を強化させるゼルエルを発動させる。強化対象は、私が現在発動しているクリュスタッロス・アントスだ。
「うそ・・・!?」
まずは麗盾の隙間から入ったレーザーがオーヴァルプロテクションを一瞬で砕く。開いた穴を防ぐように麗盾を追加する。迫るレーザー群を次々と弾いていき、視認できるレーザーの数は1桁台へと減った。
「やるな、さすがは欠陥品。だが・・・・ん?
許されざる色欲
(
アスモデウス
)
が敗れた・・・?」
アスモデウスが敗れた、か。シャルとフェイトは無事に仕事を果たしたようだ。
「大丈夫か、なのは?」
「大丈夫。問題、ないよ」
疲労を見せるなのはを心配するが、やはりなのはは弱音を出さない。
「しかも・・・どうやら
許されざる暴食
(
ベルゼブブ
)
がこの世界に来たらしいな。お前たちと遊んでいる場合じゃなくなった。もう終わりにさせてもらう」
今まで姿を現さなかったベルゼブブが来たらしいことで、バエルが何故か焦っている。詳しいことはよく判らないが、
大罪
(
むこう
)
は思っている以上に複雑な状況にあるらしい。だがもう終わりにしよう、というのには賛成しよう。これ以上はヴィヴィオが耐えられないだろうからな。
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