暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
誰がために君は・・・ 〜Leviathan〜
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・」

地面に降り立って、周囲を見回してベルゼブブの姿を探す。地面に穴は空いてない。さっきと同じ避け方はしてないってことだ。

「・・・・勝った・・・の・・・?」

返る声はない。しばらく様子を見てみる。でもやっぱりベルゼブブは姿を現さない。

「・・・やった・・・?・・・やった・・・!」

わたしが、この最弱だって言われ続けてた許されざる嫉妬が、最強の許されざる暴食に勝ったんだ。会える。これで胸を張ってルーテシアに会えるよ・・・嬉しい・・・。地面にへたり込んで歓喜する。最弱だってもう言わせない。

「・・・わた・・・きょう・・・・わたしが・・・さい・・・・わたしが、最強・・・だ!」

「・・・何が嬉しいんですか、レヴィヤタン?」

「っが・・・あ゛・・・!?」

今一番聞きたくない声が聞こえた。直後にわたしを襲ったのは、背中に突き刺さるような衝撃。そこで判ったのはベルゼブブの爪先で蹴り飛ばされた、ということ。吹き飛ぶ。距離は大体16m程。それから地面に叩きつけられて、何度もバウンドしながらさらに吹き飛ばされ続ける。痛みとかそういうのはもう判らない。視界が回る。空と地と・・・。遠くに見えたはずの建物の壁を突き破って、柱に叩きつけられて、ようやく止まった。

「ぅ・・・ぁ・・・・あ・・・・ぁ・・・い、た・・・い・・・・」

うまく喋れない。ダメージが深刻すぎる。でも・・・わたしは・・・諦めない。わたしは叩きつけられた柱に手をついて、ふらふらと立ち上がる。そこで視界に映ったのは、わたしの右腕の肘から先が完全に砕けて消えていたこと。

「・・・ひぅ・・・!」

――確認。ダメージ率69%、身体損傷率46%。

――Potentia sanat/力は療す――

気休め程度でしかないけど、損傷を回復させる。だってわたしの意思はまだ折れてない。戦えるんだから・・・。

「・・・待ってて・・・ルー・・・テ・・・シア・・・」

ルーテシアは待っていてくれるんだ。わたしが、ベルゼブブに勝って戻ってくるのを。側に落ちていたぬいぐるみを手に取って、支柱に背中を預けてしゃがみ込む。徐々に右腕が再構成されてく。よかった。右腕がないなんて見っとも無い姿を、ルーテシアに見せられないもんね。

――やぁ、レヴィヤタン。今日は、君にある頼みごとをしたいんだ。聞いてくれるだろうか――

ここでまた過去が頭の中に浮かぶ。スカリエッティに頼まれて、初めてルーテシアとゼストに会ったあの日の事。わたしが第三の力(しろいろ)のところへ向かう時、気をつけてって言って心配してくれた。嬉しかった。戸惑った。その短い言葉に、何故か泣きそうになった。それからは許されざる傲慢のルシファーに頼まれて、ルーテシア達と行動を一緒にした。


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