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ドリトル先生学校に行く
第一幕 充実している学園その二

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「そうしたら歩くより速いからね」
「運動になるしね」
「乗馬もね」
「ううん、まあ乗馬についてはね」
 そのことについてはどうかとです、先生は微妙な顔になりました。
「あまりね」
「運動だからなんだ」
「そっちの方は」
「苦手だけれどね」
 お馬さんに乗れるから運動が得意という訳ではありません、実は先生はお馬さんに乗るだけでそこから全く動かないのです。
 だからだとです、先生は言います。
「まあ乗っていいのならね」
「それならだね」
「乗って行くんだね」
「そうするよ」
 こう言ってなのでした、先生は身支度も整えてお馬さんに乗って学校に行きました。その途中お馬さんは自分に乗る先生にこう言ってきました。
「先生、行きはこうしてね」
「帰りだね」
「帰りはどうするの?」
 お馬さんが先生にそのことを尋ねます。
「その時は」
「歩いていくよ」
 そうするというのです。
「帰りはね」
「そうしていいの?」
「いいよ、何時帰るかはわからないしね」
「そこはお家で病院をやっていた時とは違うんだね」
「そうだよ、そこはね」
 実際に違うというのです。
「イギリスにいる時とは違うよ」
「けれどそれだと」
 帰りは歩くことになる、そうなればだとです。お馬さんは先生を気遣ってこう言うのでした。
「先生が疲れない?」
「大丈夫だよ、それよりもね」
 先生はお馬さんに笑って帰りはいいと答えました。そして逆にお馬さんに対してこんなことを言いました。
「僕を学校に送ってからだよ」
「僕の帰りだね」
「日本はイギリスより車が多いからね」
「そういえばかなり多いよね」
 お馬さんも今周りを見て言います、するとです。
 実際にです、今先生達がいる街の歩道にも時折車が通りますし前に見える車道は車が絶えません。朝からです。
 その車、至るところにいる車達を見てお馬さんも言いました。
「凄いね、ここは」
「そうだよね、だからね」
「交通事故には注意しないとっていうんだね」
「そう、このことは他の子達にも言っておいてね」
「車はロンドンより多いかな」
「そうかも知れないね」
 先生はお馬さんの言葉を否定しませんでした。
「何しろ世界でも一二を争う自動車大国でもあるからね、日本は」
「テレビとかだけじゃないんだね」
「そうだよ、何度も言うけれど今やイギリスよりずっと大きな国なんだ」
 それが日本だというのです。
「車だってね」
「もうイギリスよりずっと多いんだ」
「だから気をつけるんだよ、お馬さんもね」
「皆にも言っておくね」
 お馬さんは先生にこのことを約束しました。
「さもないと大変なことになるからね」
「車は怖いよ」
 先生はこのことを本当に釘を刺します。
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