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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
天秤崩す者 〜Dea deletionis〜
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、ただいつでも行動に移せるように身構えると・・・、

「・・・もういいよ・・・ルーテシア。・・・もう・・・やめよ? ガリューも・・・もう止まって・・・」

そう静かに、それでいて優しくルーテシアを止めようとするレヴィヤタンの声を聞く。両腕を広げて迎え入れようとしているレヴィヤタンを見て、エリオとキャロは何故か、もう大丈夫と思った。

「・・・あなた・・・誰・・・?」

「え・・・!? ルー・・・テシア・・・? わたしだよ? レヴィ・・・だよ?」

あまりの事にレヴィヤタンは驚愕した。大好きなルーテシアが自分の事が判らないと。表情らしい表情を見せることのなかったレヴィヤタンだったが、ルーテシアのその一言で彼女の表情が絶望一色に染まった。

「あの、レヴィヤタン・・・ちゃん?」

キャロが恐れながらもレヴィヤタンの名前を呼んだ。レヴィヤタンはキャロへと振り向く。

「キャロと・・・エリオ・・・。大丈夫・・・わたしは・・・ルーテシアを・・・止めに、来ただけ・・・。あなた達を傷つけないように・・・約束もしたから」

キャロとエリオは何のことかは解らなかったが、敵じゃないと解るとルーテシアが操られていることを説明した。もちろんその間も2体の竜が戦い、フリードリヒも地雷王との戦いを続けていた。だがガリューは腕から、目からも血を流しつつも動きを止めていた。それは主であるルーテシアを救えないことへの悔しさからだろうか。

「教えてくれて・・・ありがとう・・・。ここは・・・わたしに任せて・・・くれてもいい・・・?」

レヴィヤタンの強い意志に輝く目を見て、キャロとエリオは強く頷いた。ゆっくりとルーテシアへと歩み寄って行くレヴィヤタンは「・・・ルーテシア・・・」と優しい声色で、ルーテシアの名前を何度も口にする。

「来ないで・・・来るな・・・来るなぁぁぁぁッ!」

ルーテシアはレヴィヤタンに向けインゼクトを放つ。それを防御も回避もせずに受け続けるレヴィヤタンは、「・・怖がらないで・・・」と止まらない。いくら魔力が強くとも神秘がなければ無意味な力となるのが、彼女たちの存在する世界だ。キャロとエリオはただ見守る。ガリューもまたルーテシアとレヴィヤタンを見守る。レヴィヤタンが近付くたびにルーテシアは徐々に後ずさる。攻撃が一切通らないことに、恐れているようだ。

「大丈夫、だよ・・・ルーテシア・・・さ、もう帰ろう・・・」

「ガリュー! 白天王! こいつを殺してぇぇぇッ!」

ルーテシアに命令されたガリューは・・・それでも動かない。彼はルーテシアを守る戦士として、今はレヴィヤタンに託しているのだ。レヴィヤタンが、自分の仕える主であるルーテシアを救い出してくれることを。対する白天王は、ヴォルテールに邪魔をされて動けずにいた。
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