暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
天秤崩す者 〜Dea deletionis〜
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ているというのか・・・ヤツは。
「ママぁ! パパぁ!」
「「ヴィヴィオ!」」
「っ! ママぁぁぁ!! パパぁぁぁ!! やだぁぁ! たすけて、ママぁ! パパぁ!」
「さぁ、このゆりかごの力を、そして
許されざる支配
(
わたし
)
の力を受け、無限の力を奮え」
バエルの姿が光の粒子となって霞んでいく。そしてその粒子は少しずつレリックへと入り込んで、レリックもまたヴィヴィオの体へと戻っていく。
「「ヴィヴィオ!!」」
次第に強くなる虹色の光の奔流。吹き飛ばされそうになっているなのはを支え、ヴィヴィオへと近付く。早くバエルを止めなければヴィヴィオが乗っ取られてしまう。
「ヴィヴィオ! 今、助ける!!」
「パパぁ! マ・・・ぅああああああああああ!!」
ヴィヴィオの苦痛の叫びがこの玉座の間に轟く。そして一際強く荒れ狂う奔流が吹き、私となのはは耐え切れずに後ろへと吹き飛ばされる。
「掴まれ!」
「うん!」
私は“グングニル”を床に突き刺して体を固定、そして尚も吹き飛ばされていたなのはの手を取る。ようやくその荒れ狂った光の奔流が止んだ。視界がクリアになり、目に映ったのは虹色の光球の中に漂うヴィヴィオ。
『デア・デーレーティオー、目の前に居るその男をその力で沈めるんだ』
頭の中に直接届くバエルの声。念話の一種か?
「や・・・だ・・・いや・・・だぁぁ・・・!」
「やめろ! それ以上、ヴィヴィオを苦しめるな!」
走る。ヴィヴィオを救う為に。あと少しで1mほどで手が届くといったところで・・・
「パパぁ!」
「ルシル君!」
先ほど壁に展開されていたルシファーの剣、“ルートゥス”が襲い掛かってきた。ギリギリで回避して飛び退く。頬に痛みが走る。触れた手を見ると血が付着していた。だが阻害系の概念が掛けられている以上、治癒することは出来ない。
「やだ・・・・やだ・・・いやだぁぁぁぁ!」
必死にバエルの支配に抗うヴィヴィオ。だが、それも時間の問題だ。
『残念。もう時間切れだ』
完全にバエルを構成した粒子を取り込んだレリックが、ヴィヴィオの体内に戻った。くそっ、止めることが出来なかった。
「ぅあ・・・うあああああああああああ!!」
「「ヴィヴィオ!!」」
ヴィヴィオのその小さな体が変化していく。それは急激な成長といってもいい。5歳前後だったヴィヴィオの体が、10代の後半あたりにまで成長していった。防護服は黒を基調としていて、髪は普段のなのはと同じサイドポニー。背にするのは“ルートゥス”と大鎌が光となって構成された8枚の翼。右側が“ルートゥス”の翼で、左側が大鎌の翼だ。
その体の周辺をバエルの持っていた書物の紙片が渦巻いている。そんな
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