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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
天秤崩す者 〜Dea deletionis〜
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のはもそれを聞いて戸惑っているのが判る。この話が本当なら、この事件はもう“ペッカートゥム”の手の中だ。

「ルシル君。どうすれば・・・?」

「・・・まずはヴィヴィオだ。そのためには・・・」

バエルをヴィヴィオから引き離す必要がある。

「バエルは私に任せて、なのははヴィヴィオを救い出してくれ。そうしたらさっき言ったとおり、君はヴィヴィオを連れてここから離れてくれ」

そう答え、2人してヴィヴィオが囚われている玉座へと向かう。手にするのは、最高位の神造兵装第1位・“神槍グングニル”。いつでも戦闘に移れるように細心の注意を払う。

「・・・クク。さぁ、ここからがショータイムだ。欠陥品、お前の大切な存在によって傷つき弱まるといい」

「っ・・・うぁぁあぁ・・・ぅああああああっ!」

急に苦しみだしたヴィヴィオ。

「ヴィヴィオ!!」

「何をした!?」

私となのはは急いでヴィヴィオの下へと駆け寄る。しかし、その行く手を遮るようにヴィヴィオから強大な力が溢れ出てくる。その吹き荒れる魔力の光は虹色。私の大事な義妹――魔道王フノスを見ているようだ。

戦闘機人(にんぎょう)からコピーした情報だと、それは古代ベルカ王族の固有スキル・“聖王の鎧”。レリックとの融合を経て、ヴィヴィオ(それ)はその力を完全に取り戻すらしい。・・・ほう、なかなかに素晴らしい力じゃないか」

「いっ・・・いたいよぉ! うあ・・・ああああぅぅぅ!!」

ヴィヴィオの胸の辺りからレリックが浮かび上がる。ヴィヴィオの叫びに、なのはも「もうやめてぇぇぇぇッ!!」と叫ぶ。近付こうにも、この虹色の奔流が私の行動を制限している。

「レリックと融合、だと・・・ふざけるな、貴様!」

あんな危険な物をヴィヴィオに融合させたというのか、ヤツらは。

「怒鳴るな、欠陥品。それを行ったのは大罪(わたしたち)ではなくスカリエッティだ。まぁ今となってはあの男は私の駒によって乗っ取られ、無様な操り人形となっているけどね」

ここまで“ペッカートゥム”に好き勝手させておいて“界律”は何故動かない。十分すぎるほどにこの世界の辿る本来の道筋を狂わしているというのに、何故だ。

ヴィヴィオ(これ)のことを戦闘機人(にんぎょう)どもは“王”と言っていたが、あれらの願いは終わっている。だから私はこう呼ぼう。お前の体と心を痛めつけ、その力を果てなく弱める者・・・」

大きく両腕を広げて高々に語るバエル。

「“天秤崩す者デア・デーレーティオー”と!」

天秤を崩す者、デア・デーレーティオー。破壊の女神、という意味か。この私、天秤の狭間で揺れし者4th・テスタメントの存在を弱めるために、そんなくだらないことのために、ヴィヴィオを苦しめ
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