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天秤崩す者 〜Dea deletionis〜
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白髪の女が見えていないというのか・・・?)まさか、見えていないのか?」

「見えてないって・・・なにが・・・?」

知覚阻害を使っているということか。神秘に対する抵抗力のないなのはは見事に影響を受けているらしい。

「ヴィヴィオの隣にペッカートゥムが1体いる。あの白髪の女だ。知覚阻害を利用している所為で、君には見えていないのだろうが・・・」

「っ! そんな・・・じゃあどうしたら・・・?」

まずいな。戦闘になれば、なのはとヴィヴィオを庇いながらになる。だからなのはを半ば庇うようにして前に出る。万が一の時は2人の盾として動かなければならないしな。

「ルシル君・・・・」

弱々しい声で私の名を呼ぶなのはに私は、任せろ、と視線で送った。なのはは「ごめん」と一言。謝るのは君の方じゃないんだ。謝らなければならないのは、この世界にイレギュラーとして存在している“界律の守護神テスタメント”である私やシャルで、“絶対殲滅対象アポリュオン”である“大罪ペッカートゥム”だ。完全に巻き込んでしまっているんだ。私たち上位の概念存在の戦闘に。

「貴様はベルフェゴールか? それともベルゼブブか?」

「名? そうだな・・・これからは許されざる支配――バエル、と名乗ろうか」

「なに・・・?」

確かバエルとは、支配、強さ、高慢、野心といった悪徳を司どる高位悪魔の名だ。許されざる支配、だと? “ペッカートゥム”の罪にはない名だ。一体何を考えている。

「名など、もうどうでもいいことだ。私に必要なのは名ではなく“力”なのだから・・・」

そう言ってヴィヴィオの頬に触れて撫でた。

「触るな!」

“オルトリンデ”を向け、ヴィヴィオに影響が及ばないように注意して撃つ。バエルへ向かった弾丸は“ルートゥス”がいくつも重なって盾となり弾いた。

「っ! 見えた。白髪の女の人・・・!」

なのはが後ろで呟いた。どうやら今の攻防で、バエルの知覚阻害が弱まったらしい。バエルは大して気にしていないと示すように微笑を浮かべているが。

「・・・惜しい。しかしこの程度では届かないな」

バエルが腕を大きく広げ、8本の“ルートゥス”を左右の壁へと展開した。そして今気付いたが、この玉座の間の壁に大きな穴が開いている。ここで何があった・・・?

「あぁ、それか。それはつい先程まで居た眼鏡をかけた戦闘機人、名前はなんだったかな? すまない、忘れてしまった。どうでもいい虫けらでしかない存在だからね。もう必要なかったからご退場願ったよ。それで開いてしまった穴なんだ。だから、その穴の先で寝ているんじゃないか? バラバラに壊れていなければ、だけどね」

尚もヴィヴィオの隣に立つバエルがそう口にした。戦闘機人は必要ないから攻撃した、と。な
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