第二十五話
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けど、どれだけ力があるか聞いた事が無かった。
「お前にも黙っていた事なんだが......お前は吸血鬼なんだ」
いま、なんて。
「エヴァは吸血鬼で、その子供であるお前も吸血鬼として産まれてきている」
うそだ、吸血鬼だったら日の光も浴びれないし血も吸わないといけないのに。
「それも普通の吸血鬼とは違って弱点らしい弱点が無い真祖と呼ばれる不老不死の吸血鬼だ」
そんな、けど私は成長している。
「成長しているのはそういう魔法を使っているからなんだ」
じゃあ、その魔法が無かったら。
「黙っていたのは悪いと思う。本当はもう少し大きくなってから話そうとは思っていたんだが今回の事で早めるしか無くなってしまった」
お父様の声が頭に入ってこない。嘘だと言って欲しいけど本当の事だと思ってしまう。
「......落ち着いたら、顔を見せてくれ。ただ一人では抱え込まないで欲しい」
そう言ってお父様が離れて行くのが分かる。
私はどうすれば良いんだろう。
side out
side レイト
あれから数日経つが二人とも部屋から出てこない。食事は部屋まで持って行っているし、トイレや風呂等のためには部屋を出て入るが顔をあわそうとしない。仕方の無い事だがそれでも寂しいものがある。木乃香に関しては詠春達が色々とこちらの事を教えているようだ。裏の事はまだ教えていないがそれでいいだろう。木乃香はしきりに二人に会いたがっているがいつも残念そうに帰って行く。詠春達も心配してくれているがこればかりは待つしかない。
更に数日後、キティの陣痛が始まった。オレは二人をこれに立ち会わせる事に決める。
オレと二人はキティの部屋の前で待機している。中から聞こえてくるキティの苦しそうな声に二人とも不安がっている。
「お父様、お母様はなぜ苦しそうなのですか」
「普通に出産は痛くて苦しいものだがそれ以上に魔法使いであるという事も原因だ」
「どうしてですか」
「魔法使いの赤ちゃんは産まれてくる時に持っている魔力を全て解放するんだ。つまり産まれてくる赤ちゃんの魔力に耐えないといけないんだ」
「私の時にも?」
「リーネの時はもっと酷かった。それでも耐えてお前を産んだんだ」
あの時はオレもこの世界の魔法使いが産まれてくる時に魔力を放出するなんて知らなかったおかげでキティはかなり苦しんでいた。途中でそれに気がつき魔力を出来るだけキティに向かない様にする事で痛みを緩和させる事に成功した。木乃香が産まれてくる時も同様だし、今もそうだ。
「どうして、耐えれるの」
「オレはお母さんとは違うから分からない。でも一つだけ
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