第二十五話
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「刹那、今良いか」
「はい、父上」
落ち込んでいる声が聞こえてくる。
部屋に入ると明らかに落ち込んでいますと分かる様な、というより今にも自殺しそうで怖い。
「刹那、このかを助けられなくて悔しいか」
こういう時はストレートに聞く方がいいだろう。
「うち、助けれへんかった。このちゃんにも姉上にも羽見られたのに」
ぼろぼろと大粒の涙がこぼれだす。
そんな刹那を抱きしめてゆっくりと頭を撫でてやる。
ちょっとずつ嗚咽が混じりそれが大きくなっていく。
オレは何も言わずに泣き止むまで頭を撫で続けてやる。
しばらくすると泣きつかれたのか小さな寝息を立てているので布団を敷き寝かせてやる。
そしてメモを残しておく。
『このかをまもりたいならあとでおいで』
次にリーネの元に向かう。
すると部屋の前にキティが困った顔をして立っていた。
「どうしたんだ」
「さっきから呼んではいるのだが何も答えてくれなくてな」
「ちゃんと魔法の事を教える前に魔法の怖さを知ってしまったのだからそれも仕方ないのかも知れない」
「それもそうだが、あの事も話した方が良いのだろうか」
「......刹那の事もある。話した方が良いだろう」
「そうだな。だが、今日位はゆっくりさせてやって欲しい。色々整理をつけたいだろうから」
「分かっているさ。だが二人の状態ははなしておくぞ。リーネ、聞こえているな」
side out
side リーネ
さっきからお母様が何かを言っているみたいだけど今はそっとしておいて欲しい。
「リーネ、聞こえているな」
今度はお父様の声が聞こえて来た。
「刹那達だが」
嫌だ、聞きたくない。
「二人とも怪我もしてないし水を飲み過ぎた位で身体の方は大丈夫だ」
身体の方はってどういうことなんだろう。
「だが刹那は木乃香を助けれなかった事に罪を感じているみたいだ」
そんな事を考えているの。
「それにリーネと木乃香に羽を見られた事に怯えている」
羽が生えた位で何を怯える必要があるって言うの。
「刹那はな。あの羽のせいで化け物扱いされてきたんだ」
えっ?
「普通は黒いのに刹那の羽は白かった。それだけで化け物扱いだ、だから見られたくなかった。それでも木乃香を助ける為に羽を見せた」
そんなことだけ刹那は虐められてきたの。
「そして、リーネ。お前の事だが、なぜお前にアレだけの力があるのかを話していなかったな」
そういえば魔法の事は聞いていた
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