第二十二話
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の雷。オレはこの手で何人殺したか分からない。それなのに助ければ礼を言われる。その事が苦痛でオレはいつしか自分の名を語らずに、それでも人を助け続けた」
「......ナギ、もういいそれ以上言わなくても」
「レイトが正義を語らずに悪を語る理由がよくわかった。正義じゃあ矛盾を抱えすぎていつか壊れるってことあいつは知っているんだ」
「良いから何も言うな。そんな泣いている顔で言うな」
オレは泣いているのか。
アリカは何も言うなと言うけどそれでも言わないとな。
「ある日さ、たまたま盗賊のアジトをつぶしにいった時に攫われた人を助けにきていた男に出会ったんだ。そいつはたいした力を持っていなかったけど攫われた大事な人の為に文字通り命がけで助けにきていた。なぜ無謀な事をしたのかと聞いたらそいつはこう言ったのさ『思いを伝えられないまま終わる事を僕は認めたくない』それを聞いてオレは自分がどうしたいのか分かったよ。オレもそいつと一緒なんだよ。お前はオレを騎士から解任したって言うだろうけどな、オレは今でもお前の、お前だけの騎士だって思ってる。だってオレは、お前の事が好きなんだよ」
オレが言いたい事は全て言った。これで拒絶されたならそれはそれだ。拒絶されようがオレがアリカの事を好きなのは変わらねえ。なら幸せになる事を祈っているだけだ。
「妾がお主を苦しませてしまったのじゃな、すまない」
「謝る必要なんかねえ。この苦しみが無かったらオレは人として最低になってたと思う」
「それでもじゃ。すまない」
「わかったよ。それよりも返事を聞かせて欲しい」
「妾などで良いのか、お主を苦しめた妾で」
「アリカ・アナルキア・エンテオフュシアならさっき死んだだろう。今ここにいるのはただのアリカだ。そのアリカがオレになんかしたのかよ」
「本当に良いのか妾で、傍に居て良いのか」
「良いに決まってんだろ。そうじゃなきゃこんな方法で助けにきたりしねえよ」
「妾も、嫌、私もナギの事が好きじゃ。この2年間お前の事を思わぬ日は無かった。私を傍に置いてくれ」
その言葉を聞いてオレは嬉しかった。
レイトはエヴァンジェリンの為なら世界を滅ぼせると言ったがオレもアリカの為なら世界を......滅ぼそうとはするけどレイトに返り討ちにあいそうだな。
まあ、アリカの為なら何だってやるな。
「当たり前だ。絶対に離してやるかよ」
そう言ってオレはアリカにキスをする。
side out
side レイト
アリカ王女が落ちたのを確認してからオレは元老院の前に姿を見せる。
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