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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
それぞれの思惑
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「明日、地上本部とやらに襲撃をかける。俺たちは三番と四番を特殊部隊の施設から引き離す役目を担った」

「それならアスモデウスから聞いた。私は現状のままミッドチルダ周辺世界での待機とされているけど・・・」

ルシファーはそれに「怠惰の化身であるお前にはちょうどいい」と苦笑した。

「でもまぁ、まさか私たちがフリとはいえ人間如きに手を貸すなんて思いもしなかった」

そのようなことを言いつつベルフェゴールが地面に紋様の続きを刻み始める。

「だが実際、なかなかに面白い。人間と同じ時間を過ごすなんてことは今までになかった。だからこそ様々な知識を得られる。必要なことから不必要なものまでな」

ベルフェゴールが地面に刻んだ紋章に左手をつき、「そのタバコもその知識のひとつというわけ?」ルシファーが口に銜えているタバコを見ながら問う。

「あぁこれか。人間が考えた嗜好品というのも悪くない」

「そう。Fortuna vitrea est; tum cum splendet frangitur」
 
地面に刻まれた紋章に左手をついているベルフェゴールがそう告げた。すると、そこに刻まれていた紋章が一瞬輝き、そして何もなかったかのように消滅した。

「フォルトゥーナ・ウィトレア・エスト・トゥム・クム・スプレンデ・フランギトゥル。運命はガラスでできている。輝くときに砕け散る・・・か。お前のそれは“標”を刻む際に必要な詠唱なのか?」

「いいえ。単に許されざる怠惰(わたし)の趣味のようなもの。深い意味はない」

ベルフェゴールは立ち上がり、月を仰ぎ見る。一息を吐いて目を閉じた。そしてゆっくりと言葉を紡いでいく。

「これで全ての準備は終了。私の仕事もようやく終わり。あなたはどうす――これはどういうつもり、ルシファー・・・?」

ベルフェゴールが目を開き見たのは、赤黒い四角柱の剣の先端を自分に向けるルシファーの姿だった。

「俺の目的には“力”が必要なんだ。ペッカートゥムとしての“力”じゃなく、な。役目を終えたお前はもう必要ない。だからその“力”は俺が有効に使わせてもらう」

「本当に傲慢ね。何を目的としているかは知らないけど、今なら許す。その剣を下ろして大人しくミッドチルダへと帰りなさい。それに万が一、あなた達がアノ守護神に敗れでもしたらどうするわけ? あの御方の命を受けている私たちは本来、守護神にちょっかいを出すべきじゃなかった。それをアスモデウスが先走って、守護神たちに自分たちの存在を知らせて・・・。今回の計画が失敗しでもしたら、私たちは絶対にあの御方に消される。何も考えなかったのか、あなた達は」

ルシファーの剣を、ベルフェゴールは手にしていた分厚い書物で叩き落とす。それでもルシファーは剣を構える。見
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