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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
それぞれの思惑
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でヴィヴィオもちゃんとピーマンを食べるかなと思ったら、ヴィヴィオが向かいに座っているシャルちゃんのお皿を見る。私たちもシャルちゃんのお皿を――正確にはお皿の上のある食べ物を見る。

「シャルちゃん・・・・まだダメだったの、トマト?」

お皿の端っこに寄せられているのは、真っ赤なお野菜ミニトマト。昔からトマトが嫌いだったけど、今でもそうだなんて思いもしなかった。そして無言だった理由も判った。そうだよね、自分を棚に上げて偉そうなこと言えないよね。

「シャルさん、のこしてるのに美人だよ?」

「わぁ♪ ありがとう、ヴィヴィオ?」

ヴィヴィオに、美人、って言われて嬉しそうなシャルちゃんだけど、そこは違うでしょ。

「そうじゃないだろ、シャル。君が手本として嫌いなトマトを食べなさい」

「いや、ほら・・・」

ルシル君にそう言われたシャルちゃんはヴィヴィオを見ると、2人一緒に「ねぇー♪」」首を傾げながら微笑んだ。なんかシャルちゃんの方がママ――というよりは大きなお姉さん?みたい。そんな2人は可愛いけど、可愛いんだけど。でもここで折れちゃダメだよ、私っ。

「ねぇ、シャル。なんでトマトがダメなの? すごく美味しいのに・・・」

「う〜ん。だってよくたとえ話とかであるでしょ? 潰れたトマトってまるで人が――むぐっ!?」

「言わせるか馬鹿っ!」

シャルちゃんの言葉の続きを防ぐようにして、ルシル君がシャルちゃんの口を塞ぐ。ヴィヴィオは続きが気になるのか「なになに?」って興味津々で訊こうとしてる。

(潰れたトマト? 人が・・・? ルシル君の様子からしてあまりよくない話題・・・かな?)

少し考えて頭に浮かんだのは、人が転落した結果が云々っていうたとえ話・・・・。うわっ、想像するんじゃなかったよ。

「時と場所と、言う相手を少しは考えようなー、シャル?」

ルシル君の怖い微笑みを見て、シャルちゃんが何度も頷く。ようやくルシル君の手から解放されたシャルちゃんは一息。

「まぁ理由は兎も角として、トマトって昔からダメなんだよー。こればかりはどうあっても好きになりそうに――あがっ!?」

シャルちゃんが奇声を発する。原因はルシル君。ルシル君の右手がシャルちゃんの口を開けたままで固定して、左手でミニトマトを無理やり口の中に突っ込んだ。フォワードのテーブルから「おお」って聞こえてきた。はやてちゃんたち八神家もフォワード同様、そんな感じだ。

「ほら、ヴィヴィオ。シャルさんも嫌いなトマトを美味しそうに食べてるぞ」

そう言うけど、さっきからシャルちゃんの顔にモザイクがかかって判らないんですけど。たぶんこのモザイクはルシル君の魔術かなんかだと思う。ホントにいろいろな事が出来るなぁ。

「美味しいだろ、
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