第十四話 〜第二次蕃族掃討戦・前〜
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ッ!?』
『…ッ!!』
ほら、言わんこっちゃない。
結局言ってはみたものの素は隠しきれずに途中から茶化してしまった。
後ろからは肝をさらに冷やした部下達の声にならない悲鳴が聞こえてきそうだ。
だが何も俺だって世渡りがそこまで下手な程実直な人間ではない。
寧ろ捻くれ者で、しかし小心者なせいで今までの人生ずっと日和見もいいところだろう。
だから相手が相手なら話しは変わったのだろうが、俺からしたらこいつは羨ましい程に、そんでもって見るからに頭の中はお花畑のようだ。
こっちの見え見えの上辺言葉にすら気付かなそうだと思った。
『い、いえ!こちらこそ取り込み中にすみません…』
ほらな。
案の定お花畑な答えが返ってきた。
後ろからは安堵に似た溜息がどっと聞こえてくる。
そもそもお前らはお前らで何こんなションベン臭い餓鬼にびびってんだよ。
だいたい何だよ取り込み中すみませんって。
こいつ自分の立場わかってんのか?
頭沸いてんのか?
『…』
『…』
『…』
『…』
なんだよこの餓鬼。
さっさとなんとか言えよ。
何もねぇならさっさと失せろよこの餓鬼。
『あ、あの…っ!』
お?
『よ、よろしくお願いしますね!』
『…』
そう言ってこいつは俺に手を差し出した。
それはそれは満面の笑みで。
多分握手を求めているんだろう。
だが、俺にはその行為が逆に俺の癇に障った。
『…はぁ…』
限界だ。
いや、我慢する余裕くらいはあるにはあるんだが、ここで一言言っておいてもバチは当たらんだろう。
短い付き合いなんだろうが、こいつの今後の為でもあるんだ。
そう自分に言い訳をしながら、俺は心の中で一息ついた。
バチンッ
『あっ…!』
『…』
『……え…』
そして俺はそいつの差し出してきた手をはたき落とした。
『遊びじゃねえんだよ』
『…あ、あの、そんなつもりじゃ…』
見るからに青ざめていく顔を見て踏ん切りがつく。
いける、と。
完全な弱い者虐めだ。
『や、やめましょうよ隊長っ、まずいですって…っ!』
『俺達は命張ってここに来てんだよ!』
『…っ!』
俺は制止しようとする兵士の言葉を遮るように大声で叫んでいた。
だがそれが予想以上に大きかったのか、先程まで蚊帳の外だった他の兵士達までもがこちらを注目して辺りは静まり返っていた。
…やっちまった。
これじゃーもう後には引けない。
だが、既に俺の中では引くつもりなど更々なかったので動揺は直ぐに…は収まってはくれないようだ。
頭は冷静だ。
しかし、その冴えた思考とは関係無いかのように顔の表面は熱くなり、そして手足が小さく震えていた。
…ちくしょう、小心者め。
しかし、今
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