暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
動き出す使者 〜後編〜
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の方に向かうのが良いと思うが?」
ルシファーからのいきなりの撤退申告。私は思考を巡らせる。確かにこのままじゃ埒が明かないのも事実。空戦においての速さが互角である以上、私のような接近戦タイプは辛い。でも、ここでヤツらを見逃すのも何か嫌だ。空に静止して少し。私は考えた末の結論を出す。
「大人しく撤退するならいい。けど、私の友達に手を出すような真似をしたら容赦しない」
ルシファーとサタンの撤退を見逃す。それが私の出した結論。次に会ったときは市街地じゃなくて、私が全力を出せるような場所で思いっきり戦って、そんでもって絶対に勝つ。
「いい判断だ、三番。では、これで失礼させてもらおう」
「・・・次はその首を落とす。待っていろよ、三番」
ルシファーとサタンはそう告げて、その姿を消した。
・―・―・―・―・―・
ルシリオンは再度戦いに臨む為、
執行権限
(
リミッター
)
を解凍しようとしていた。
「・・・マモン・・・死んじゃったの?」
「はぁ・・・そうね」
レヴィヤタンとアスモデウスが黒い穴が閉じた場所を見ながら佇んでいた。アスモデウスは知らなかった。ルシリオンにこのような力があるということを。歴代のアスモデウスの記録の中のルシリオンは、干渉もしくは簡単な魔術しか使っていなかったから当然だ。番外位である“大罪ペッカートゥム”相手に創世結界を使うことが異常なのだ。
「マモンは死んだ。戦闘行動も一時中止、退却する」
このまま戦い続けても構わないが、此度における“ペッカートゥム”の目的はあくまで“標”だ。無理に戦って勝つ必要もないし、それ以前に負けて目的を果たせなくなる方が問題だ。そう判断しての退却となる。
「レヴィヤタン、もう戻っていいわよ。欠陥品とは改めて――そう、やる気なわけね」
そのとき、2体の立つ場所より500m弱よ離れた場所から強烈な魔力が発生したのを2体は感じた。ルシリオンがまだ戦おうとしていることが判り、やれやれといった風に首を振る。
「どうしたい、レヴィヤタン?」
「・・・ルーテシアのところ・・・戻りたい」
「そう・・・・」
アスモデウスの失っていた右腕部分に光が集束していく。そしてその次の瞬間には、失う前と何ら変わらない右腕があった。閉じられていた右拳が開く。開いた手の平の上にあるのは、淡く輝く光球。
「マモン。あなたの“力”、有効に使わせてもらうわ」
その光球はマモンの“力”そのもの。アスモデウスは呑まれた右腕を使い、同じく呑み込まれたマモンの“力”だけを取り戻したのだ。そしてアスモデウスは、その“力”の光球を胸に押し当て取り込んだ。これで彼女は2体分の“力”を有することになった。
「欠陥品、私たちはこれで――」
全てを言い終わ
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