暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
ティアナの想い・なのはの願い
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ていた。離れたビルの屋上で“クロスミラージュ”を構えていたティアナが消失した。その瞬間、ルシルの雰囲気が一気に変わった。みんなは気付いていないみたいだけど・・・これは・・・落胆?

「本物のティアさんは!?」

エリオの疑問よりルシルの視線の先が気になった私は、ルシルの見ている同じ方角を見た。そこには、ウイングロード上を駆けるティアナの姿。

「まさか・・・あの子たちがやろうとしていることって・・・・」

ティアナはウイングロードを駆け上がりながらカートリッジを2発ロードし、“クロスミラージュ”の銃口部分から魔力刃を生み出した。なのはの真上まで駆けて行くということは、上空からの勢いでなのはの障壁を斬り裂く、ということを狙っているんだろうけど・・・。

「・・・ダメ、それはダメだよ、ティアナ・・・!」

やっぱり止めておけばよかった。あの2人は確実になのはの教導から外れた行動を取ろうとしている。センターガード――つまりは中衛であるティアナが、フロントアタッカーのスバルを囮にして、自らも近接攻撃へと移る戦法。あれはハイリスクすぎるし、自分たちの長所を確実に潰してしまう悪手だ。

「・・・レイジングハート、モード・リリース」

ささやき程度の小ささだっていうのに、なのはの声が私たちのところまで届いた。その声に含まれているのはルシルと同じような落胆、それに悲しみや・・・怒り。上空から仕掛けてきたティアナを見もせずに“レイジングハート”を解除した。その次の瞬間、なのは達の居るところで大きな爆発が起こり、白煙を上げた。そして未だ煙が晴れきっていない中・・・

「おかしいなぁ、2人ともどうしちゃったのかな・・・?」

なのはの声が聞こえてきた。煙が晴れたことで現状を視界に収めることが出来た。ウイングロード上に居たのは、スバルの拳を左手で受け止め、“クロスミラージュ”の魔力刃を素手で受け止め、ティアナごとフローターを掛けて支えているなのはの姿。

「2人が頑張ってるのは判るよ。でもね、何か勘違いしているみたいだけど、模擬戦はケンカじゃないんだよ?」

静かに紡がれていくなのはの言葉。怒りと悲しみに満ちていて、私の胸がキュッと苦しくなる。なのはは続ける。教導を聞いているフリの練習、だから本番で無茶をすること、全部に意味がないって。ティアナとスバルはもう、どうして良いのか判らないんだと思う。完全に今のなのはの雰囲気に呑まれてしまっていて、顔を青褪めさせていた。

「ねぇ、ティアナ、スバル。私がみんなに言ってることも、私がみんなにさせている訓練も、そんなに間違ってるのかぁ・・・?」

その言葉を聞いたティアナは魔力刃を消して後方のウイングロードまで大きく飛んだ。そしてなのはに“クロスミラージュ”の銃口を向けるという行動を取っ
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