響の夏休み2
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うやら渉は響ことを好いているわけではないらしい」
「え? なんでわかったの?」
「口の動きでな。読唇術を会得しておいてよかった」
「さすが軍人ですわね……」
ラウラの特技に二人はセシリアはの声を漏らす。
そうこうしている内に、五人はスライダーまでやって来た。スライダーの数は全部で10種類もあるようで、それぞれ初級者、中級者、上級者、超上級者があるようだ。
初級から、中級はかなりの人が並んでいるが、上級から上はあまり人が見られない。超上級などもはや人がいなかった。
実際、超上級のスライダーはもはや滑るではなく、落ちるの方があってるのではないかというほど直角に見える。セシリアたちも流石にあれは無理だと思っていると、前を行く姉妹から恐るべき言葉が漏らされた。
「どうすっかー空いてるから超上級行ってみっかー?」
「だね。早く滑れた方がいいし」
「「「え?」」」
「あん? どうしたお前ら、なーに固まってんだ?」
疑問の声を漏らし、顔をこわばらせる三人に響は首を傾げながら問う。すると、シャルロットがぎこちなく響に聞き返した。
「え、えっと、響たちはあれをすべるつもり? あのほぼ直滑降のスライダー」
「ああ。だってあれが一番空いてるしな」
「さ、流石に聞けんじゃありませんこと……?」
「大丈夫だろ、それに、んな危険なもんおいとくわけねーじゃん」
二人の説得にも似た意見をのらりくらりといなす響にセシリアとシャルロットは焦りの表情を見せる。その中でシャルロットはまだ意見を述べていないラウラを見やる。
……お願いラウラ! なんとか響を説得して!! じゃないと僕達あんな恐ろしいものを体験することになっちゃうよ。
しかし、残念なことに、
「ふむ、まぁ確かに響の言うこともそうだな。公共の場で危険なものがあるわけもない。乗ってみるのもありだな」
……えー!? ちょっとラウラ!? なんてこといってるのさー!!?
ラウラにシャルロットの言葉は届かなかったようだった。
「だろ? これで三対二だ。さ、いくぞー」
響はラウラの手を握り、ずんずんと歩き出す。その姿を見送る二人の肩に渉は手を置きながら。
「……姉さん言い出したら聞きませんから。私もですけど……」
そのままずるずると二人も渉に引きずられていった。
数分後、プール全体に伝わるのではないかというほどのセシリアと、シャルロットの絶叫が木霊したのは言うまでもない。
夜になると、響たちはプールの中に作られている宿泊施設で夕食をとり、温泉へと出かけた。なお、お昼過ぎぐらいに合流した紫音も一緒だ。
「ほえー、プールもでかいが温泉も
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