響の夏休み2
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母さんは――」
「母さんならお昼過ぎには仕事が終わるみたいだから、後で合流するって言ってたよ」
「わかった。じゃあ行くぞお前ら」
「あ、でも僕達水着持ってないけど」
「大丈夫です。調べたらそこ水着のレンタルもやってるみたいなんで」
シャルロットが一瞬困った表情を浮かべるものの、渉の説明で納得したようだ。
その後、五人は準備を整えるとリゾートプールに向けて歩き出した。
「おー、やっぱ出来たばっかりだからかいろいろ綺麗だなー」
プールの中に入った響は全体を見回しながら若干興奮した面持ちで声を漏らした。プールの中は既に多くの人がいるが、すし詰めといった感じではない。
すると、響の後ろからセシリアたちがやって来た。
「確かに、結構広いですわね」
「だね、人も多いし。迷子にならないように気をつけないと」
「特にラウラとかな」
「む? 何故だ?」
一人その意味に気付いていないラウラは首を傾げるが、皆は思わず苦笑してしまう。
「どうするよ、皆好き勝手に遊ぶか?」
「流石に皆初めてなんだからさ、まとまって行動しようよ姉さん」
「それもそうか……じゃあまずはどこ行くよ?」
響が渉に聞くと、彼女は持っていたパンフレットのマップ部分のある部分を指差しながら提案した。
「私スライダー行きたいかな。セシリアさんたちは?」
「わたくしはどこでも構いませんわ」
セシリアが言うと、シャルロットたちもそれに続いて頷く。三人が頷いたのを確認した響と渉は、スライダーのあるエリアに歩き出した。
響達の後ろを行くシャルロットたちは、前を行く二人を見ながら小声でセシリアとラウラに聞いた。
「二人ともかなり仲いいよね」
「ですわね、性格は全くの正反対ですがとても仲がいいですわ」
「ああ。まさか、渉も響のことがっ!?」
「いや、流石に姉妹でそれはないよ……」
ラウラの妄想じみた発言に、シャルロットは微妙な表情をする。確かに見ると二人はマップを見ながらそれぞれの意見を出し合い互いに笑いあっている。
しかし、その最中渉は後をついてくる三人にちらりと悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「「「っ!?」」」
その笑みに、三人は思わず口元を押さえてしまう。同時に三人の頭の中に先ほどラウラが言っていたことがよぎる。
……渉も響を好いているのではないか。
ということが。しかし、渉はそんな三人の姿を確認すると、声に出さず口だけを動かした。
『だいじょうぶです』
残念ながらその口の動きを確認できたのは、軍人であるラウラのみだった。ラウラは頷くと、他の二人に耳打ちする。
「二人とも、ど
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