第二十話
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
しい。
フェイト達がオレに残りの兵器を渡してしまったが為にとりあえずは良いやと放っておいたジジイどもが保身の為の生け贄にアリカ王女を選んだという事だ。
そしてアリカ王女はそれを受け入れている。
最終決戦で赤き翼は儀式の発動を防ぐ事は出来ずアリカ王女達の封印術式により魔法世界は救われたらしい。その結果オスティアの浮遊大陸は落下。死者も出ている上に難民問題等もあるため生け贄にはちょうどいいと判断されたのだろう。処刑方法はケルベラス大渓谷か。
「どうするつもりだ、レイト」
「......オレは......直接手を出すつもりはない」
「お前らしい」
さあ、赤き翼、いやナギ・スプリングフィールド。貴様はどうする。
side out
side ナギ
「ナギ、今すぐ助けにいこう。私たちならケルベラス特別監獄からアリカ王女を救う事は可能だ」
詠春の言う通り助けるだけなら可能だ。
前までならともかくレイトに鍛えられたオレたちなら魔法世界全てを敵にまわしても負ける事は無いだろう。だけど、それで姫さんが喜ぶだろうか。
答えは否だろう。
直感で分かる。きっと嫌われるだろう。それは嫌だ。けれど何故それが嫌なのかは分からない。
「......詠春、オレはレイトに色々な事を教えられた。前までのオレなら分からなかった世界の仕組みとかも分かる様になった。だからこそ姫さんがやろうとしている事を否定しきれない自分がいるんだ」
「......ナギ」
「......すまねえ時間をくれ。オレは一人でオレたちや姫さんがやった事を見て回りたい。赤き翼はここで一時解散だ」
「分かったよ。私は実家に戻るよ、だからいつでも頼って来てくれ」
「その時は頼む」
こうして赤き翼は一時解散し、オレは魔法世界の各地を彷徨った。
昔、レイトが言っていた様に回復魔法の方が人々を助ける事が出来た。
いつしかオレは”偉大なる魔法使い”なんて呼ばれる様になっていたがちっとも喜べねえ。
だってオレがやっている事は自分が行った罪を少しでも軽くしようとしているだけなんだから。
そして時が経つに連れてオレは自分の浅はかさに嫌気がさしてきた。
ただ名を上げる為に参加した戦争でオレはどれだけの幸せを奪ってきたのだろう。
そしてオレは姫さんをどうするかの答えをまだ出せていない。
だが、オレに転機が訪れた。
ある日兵隊崩れの山賊のアジトにオレが乗り込むと一人の男が先に山賊どもと戦っていた。
お世辞にも男は強くなく、なぶり殺されるのが眼に見えていた。
けれど眼が死んでいなかった。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ